about
大きなクレーターに集う野生生物
タンザニア北部に位置する『ンゴロンゴロ自然保護区』は、巨大な火山の噴火によって形成されたカルデラを中心に広がる広大な草原地帯です。8,094㎢の保護区内には2万5,000頭以上の大型哺乳類をはじめ、たくさんの野生動物がこの地に暮らしています。かつて活発な火山活動を繰り返していたこの地域では、長い歳月の中で地表が陥没し、現地語で「巨大な穴」を意味する「ンゴロンゴロ・クレーター」が誕生しました。世界最大級のカルデラのひとつであり、地球の壮大な地形変化を間近に感じられる場所です。サバンナ、森林、湖、湿地といった多様な自然環境が凝縮されたこの地は、まさに大地の進化を伝える「生きた博物館」です。季節ごとに移動する動物たちのドラマや、命が息づく瞬間に出会うことができます。
人類進化の謎を秘めた場所
自然遺産としての魅力はもちろんですが、この地は人類の進化の謎を解くカギを握る場所としても知られています。オルドゥヴァイ渓谷やラエトリでは、約400万年前の人類の化石が数多く発見されており、アウストラロピテクスから現生人類に至る進化の過程が示されています。人類の進化を今に伝える重要な証拠として、文化遺産の価値も認められ、この地は複合遺産として世界遺産に登録されています。さらに、現在もマサイ族が伝統的な牧畜の暮らしを守り続けており、人と自然が共に生きる姿が色濃く残された極めて貴重な地域です。
アクセス
アルーシャからンゴロンゴロ自然保護区まで車で約3時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
アルーシャからンゴロンゴロ自然保護区まで車で約3時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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