about
多様性・地の利を生かした国際的な冬のリゾート地
地中海沿岸、アルプス山脈の麓に位置するニースは、その温暖な気候と、海と山に挟まれた美しい自然環境を活かし、18世紀半ば頃から冬のリゾート地として発展してきました。とりわけイギリスから訪れた貴族階級の家族に人気を集め、冬の避寒地として定着していきました。その後の約1世紀にわたり、滞在者の増加と社会的・文化的な多様性が、旧市街周辺での新たな都市区画の段階的な開発を促進しました。こうした冬の訪問者による影響に加え、気候や風景を最大限に活かそうとする意識が都市計画や建築様式に反映され、ニースは国際的な冬のリゾート都市としての地位を確立していきます。また、1860年までサルデーニャ王国に属していたこと、さらに欧州各地や世界中からの旅行者の流入により、ニースは特に建築の分野において、多様な文化的影響が交差する場ともなりました。
多文化が融合したリヴィエラの都市空間と建築様式
『ニース:リヴィエラの冬のリゾート都市』は、19世紀に「コンシリオ・ドルナート」の主導の下、イギリス、イタリア、フランス、ロシアなどの多様な文化が融合した顕著な例として、世界遺産に登録されました。ニースには新古典主義やアール・デコなど、ヨーロッパ各地で流行した建築様式が持ち込まれるとともに、漆喰や陶器などでの装飾技術が発展していきました。宿泊施設についても外国からの影響が大きく、ホテル、別荘、季節貸し住宅といった多様な形態が発展しました。さらに、円形劇場のような海を望む地形や、南向きの街路、外来種を含む植栽、公園や遊歩道が、気候と景観を最大限に活かした都市空間を生み出しています。
アクセス
パリから飛行機で1時間半または鉄道で6時間程度。
執筆協力者PROFILE
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パリから飛行機で1時間半または鉄道で6時間程度。
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