シリア北部の古代集落群
カラット・セマーンに位置する聖シメオン教会

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : シリア・アラブ共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2011年 危機遺産 : 2013年~ 登録基準 : (iii) (iv) (v) 遺産の面積 : 122.9㎢ 座標 : N36 20 3 E36 50 39(カラット・セマーン)

about

「忘れ去られた都市」とも言われる約40の集落

シリア北西部のアレッポからイドリブにまたがる「シリア約40の古代集落群」は、1~7世紀に栄え、8~10世紀の間に放棄された集落遺跡です。放棄後は歴史の舞台から姿を消していましたが、19世紀にヨーロッパでその存在が再認識され、その後発掘調査が進められていきました。遺跡の状態は非常に良好であり、住居や浴場、墓碑など当時の人々の生活が垣間見える遺構も発見されました。かつては「忘れ去られた都市」「死の都」などと言われていましたが、実際には都市ではなく農村社会によって形成された古代の集落です。約40の集落遺跡は広範囲に点在し、現在8つの考古学公園に区分けされています。

カルブ・ロゼの教会跡
カルブ・ロゼの教会跡。5世紀末頃建てられたと考えられている(©wemm/Adobe Stock)

ローマ帝国やビザンツ帝国などの面影が残る

集落が成立した背景には、1世紀頃のローマ帝国の支配と農地開拓があります。住民たちはローマ式の農地を築き、水利施設を建設しました。ローマ式の農地計画は、集落遺跡にも明瞭に残されています。本遺産の重要な価値のひとつは、ローマ帝国下の異教信仰からビザンツ期におけるキリスト教信仰への移行過程を示している点にあります。神殿や教会、洗礼堂などの宗教建築群が、その変化を具体的に物語っています。なかでもジャバル・スィマーンには、キリスト教修道士の聖シメオンが生涯最後の30年を過ごした柱を中心として形成された聖所の遺構が残されています。

アクセス

古代集落の内、著名な聖シメオン教会はアレッポから車で約40分。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2011年
危機遺産 : 2013年~
登録基準 : (iii) (iv) (v)
遺産の面積 : 122.9㎢
座標 :N36 20 3 E36 50 39(カラット・セマーン)

アクセス

古代集落の内、著名な聖シメオン教会はアレッポから車で約40分。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。