ルワンダ虐殺の記憶の場:ニャマタ、ムランビ、ギソジ、ビセセロ
ニャマタの旧カトリック教会に残る犠牲者の衣服。教会は虐殺記念館として公開されている

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : ルワンダ共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2023年 登録基準 : (vi) 遺産の面積 : 0.2465㎢ バッファ・ゾーン : 1.3616㎢ 座標 : S2 27 19.9 E29 34 3.8

about

ルワンダ内戦の悲劇を物語る遺産

ルワンダ内戦中の1994年4月から7月の約100日間にかけて行われた「ジェノサイド(大量虐殺)」を伝える遺産です。フツ族とツチ族の民族対立から広がった争いは「インテラハムウェ」と呼ばれる民兵武装集団により、ルワンダ全土で推定100万人が犠牲となる悲劇を生むことになりました。この遺産は、将来への教訓を伝える「負の遺産」と考えられると同時に、2023年の世界遺産委員会では「近年の紛争(リーセント・コンフリクツ)」における議論を前提とした「記憶の場」に関する世界遺産として登録されたうちの1件でもあります。(残り2つは「ESMA 博物館と記憶の場:拘禁と拷問、虐殺のかつての機密拠点(アルゼンチン共和国)」「第一次世界大戦(西部戦線)の慰霊と記憶の場(ベルギー王国/フランス共和国)」)

登録地域と構成資産について

ルワンダ中部に位置する「ニャマタ」は、首都キガリから南へ50㎞にあり、ツチ族の立てこもった旧カトリック教会が構成資産として残っています。教会は虐殺記念館として残され、屋根に銃弾や手榴弾で空けられた穴が残っており、犠牲者の遺骨や衣服、武器等が展示されています。「ムランビ」はルワンダ南東部のギゴンゴロ地区にあり、ツチ族が避難した技術学校では多くの犠牲者を出しました。技術学校には犠牲者の遺骨やミイラ化した数千人分の遺体が残っています。首都キガリのエリアにある「ギソジ」には、キガリ虐殺記念碑が建てられており、約25万人の遺体が埋葬されています。ルワンダ西部の「ビセセロ」は、2ヵ月にわたりジェノサイドに抵抗したことを示す遺産です。抵抗した人たちの戦いを記憶するための記念碑があります。悲惨な出来事が起きたこれら4つの地域は「記憶の場」として相応しいとされ、世界遺産に登録されました。

アクセス

【ニャマタ】キガリから車で約1時間。/【ムランビ】キガリから車で約3時間。/ソジ】キガリから車で10~15分。/【ビセセロ】キガリから車で約4時間。

執筆協力者PROFILE

宮澤 裕一
宮澤 裕一
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/保育士/社会福祉士

保育士の資格を取得後、2005年より児童関係の仕事に就く。仕事をしながら社会福祉士の資格を取得し、興味を持っていた世界遺産検定にも挑戦。世界遺産検定1級を複数回合格。現在は仕事と並行しながら保育や世界遺産を中心としたブログも執筆している。

遺産DATA

地域 : アフリカ
分類 : 文化遺産
登録年 : 2023年
登録基準 : (vi)
遺産の面積 : 0.2465㎢
バッファ・ゾーン : 1.3616㎢
座標 :S2 27 19.9 E29 34 3.8

アクセス

【ニャマタ】キガリから車で約1時間。/【ムランビ】キガリから車で約3時間。/ソジ】キガリから車で10~15分。/【ビセセロ】キガリから車で約4時間。

執筆協力者PROFILE

宮澤 裕一
宮澤 裕一
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/保育士/社会福祉士

保育士の資格を取得後、2005年より児童関係の仕事に就く。仕事をしながら社会福祉士の資格を取得し、興味を持っていた世界遺産検定にも挑戦。世界遺産検定1級を複数回合格。現在は仕事と並行しながら保育や世界遺産を中心としたブログも執筆している。