about
「自由港湾都市」として発展したオデーサ
「黒海の真珠」とも呼ばれる美しい街並みが広がるウクライナ南部の都市。対岸にはイスタンブールがある黒海沿岸の港湾都市で、古代ギリシャ都市「オデッソス」の名前を女性形にした「オデッサ」と名付けられました(ウクライナ語では「オデーサ」)。オデーサの街は、当時のロシア帝国の女帝エカチェリーナ2世により、凍らない港である不凍港を獲得するため建設・整備された歴史をもちます。不凍港の獲得はロシアの南下政策において、軍事的・経済的な要でした。その後オデーサは1819年に自由港湾都市となって発展を遂げ、様々な文化が交差する国際都市になりました。世界遺産としては19~20世紀にかけての傑出した都市計画が評価されています。
歴史地区にある建造物群は有名なものばかり
広々とした並木道が碁盤目状に張り巡らされているオデーサには、美しい「プリモルスキー大通り」や、映画でも有名な「プリモルスキー階段(オデーサ階段)」、優美な造りの「オデーサ・オペラ・バレエ劇場」、「パレ・ロワイヤル」といったランドマークがあり、オデーサの街を彩っています。特にオデーサの象徴であり、世界で最も優れた劇場のひとつであるオデーサ・オペラ・バレエ劇場はネオ・バロック様式の建造物で、内部はロココ様式の優美な建物です。プリモルスキー階段もエイゼンシュタイン監督の映画『戦艦ポチョムキン』に出てくる「オデッサの階段」としてよく知られています。
危機に直面する遺産
オデーサはクリミア戦争やロシア革命、第一次世界大戦など、幾度も戦禍に巻き込まれてきた歴史をもつ街です。2022年2月に始まったロシアによるウクライナの軍事侵攻を受け、2023年の世界遺産委員会の特別会合にて『オデーサの歴史地区』は緊急的登録推薦で緊急登録され、危機遺産リストにも記載されました。世界遺産登録後も、ロシア軍の攻撃によって歴史的建造物への被害が生じています。
アクセス
イスタンブールから飛行機で約1時間半。2025年8月時点で、外務省からウクライナ全土に退避勧告(レベル4)が出ている。
執筆協力者PROFILE
保育士の資格を取得後、2005年より児童関係の仕事に就く。仕事をしながら社会福祉士の資格を取得し、興味を持っていた世界遺産検定にも挑戦。世界遺産検定1級を複数回合格。現在は仕事と並行しながら保育や世界遺産を中心としたブログも執筆している。
アクセス
イスタンブールから飛行機で約1時間半。2025年8月時点で、外務省からウクライナ全土に退避勧告(レベル4)が出ている。
執筆協力者PROFILE
保育士の資格を取得後、2005年より児童関係の仕事に就く。仕事をしながら社会福祉士の資格を取得し、興味を持っていた世界遺産検定にも挑戦。世界遺産検定1級を複数回合格。現在は仕事と並行しながら保育や世界遺産を中心としたブログも執筆している。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す