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地殻変動によってできた深くて古い湖
オフリド湖は、北マケドニア最高峰であるコラブ山などの高峰のふもとに位置し、地殻変動によって形成された深くて古い湖です。およそ200万年から300万年にわたり、絶え間なく存在し続けてきました。ロシアのバイカル湖、アフリカのタンガニーカ湖と並び、世界最古の湖の一つとされています。湖は透明度が高く、冬でも凍結しないため、他の地域では絶滅した水生生物が残っています。藻類、渦虫類、巻貝、甲殻類、2種のマスを含む17種の固有魚類など、湖固有の動植物は200種を超えています。また、鳥類も豊富に生息しています。
スラヴ文化と東方正教会の中心地
オフリドは、ヨーロッパで最も古くから人が定住した地の一つです。9〜10世紀にかけて、聖クリメントがキリル文字を用いてスラヴ語による聖書などの文献の翻訳や教育を行ったことにより、オフリドはスラヴ文化が広まる中心都市となりました。聖クリメントが創建したスラヴ地域最古の聖パンテレイモン修道院は、当時のヨーロッパにおける最古の教育機関の一つでもあります。その後、14世紀頃まで東方正教会の中心地として発展しましたが、14世紀末から1912年まではオスマン帝国の支配下に置かれていました。
湖畔に立つビザンツ建築群
現存する建築物の多くは、ビザンツ文化がもたらされた11世紀頃に創建されたものです。11世紀に建立された聖ソフィア聖堂には、14世紀頃に描かれた「キリストの昇天」などのフレスコ画が残されています。その他、湖畔の切り立った崖の上に建つ聖ヨハン・カネオ聖堂や、17世紀に修復された聖ナウム聖堂などがあります。オフリド地方の自然および文化遺産は複合遺産であり、当初は北マケドニア側のオフリド湖の一部のみが登録範囲でしたが、2019年にはオフリド湖のアルバニア領まで範囲が拡大され、湖全体が世界遺産の登録対象となりました。
アクセス
日本からイスタンブル経由でオフリド=セント・ポール・ザ・アポストール空港へ。北マケドニアの首都スコピエ、アルバニアの首都ティラナからはオフリドまでバスで約3時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
日本からイスタンブル経由でオフリド=セント・ポール・ザ・アポストール空港へ。北マケドニアの首都スコピエ、アルバニアの首都ティラナからはオフリドまでバスで約3時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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