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「ローマの平和」が表現された凱旋門
フランス南部のアヴィニョンの北にあるオランジュは、紀元前1世紀、ローマ帝国の植民都市になり、古代ローマ時代の遺跡が残る街です。紀元10年から25年の間に築かれた凱旋門には、「ローマの平和(パクス・ロマーナ)」が打ち立てられていく様子がレリーフで表現されています。これは、今も現存する初代皇帝アウグストゥスの時代の地方凱旋門のなかでも、最も美しいと評価されているものです。凱旋門は13世紀には要塞へと改変されましたが、その後1824年には修復されました。

1万人が収容可能で、今も音楽祭が開催されるローマ劇場
丘の斜面を利用して建てられた半円形の観客席をもつローマ劇場は、紀元1世紀初頭に建設されました。ヨーロッパに残るほかのローマ劇場と比べても特に保存状態が良好で、音響効果にも秀でています。劇場の舞台幅は100mを超え、約1万人を収容できるほど広大です。とりわけ赤い砂岩を積み上げた舞台背後の石壁は壮麗で、高さは約37mと現代の建物の10階分に相当し、中央ではアウグストゥス帝の彫像が観客席を見下ろしています。毎年夏には、オペラとクラシックの「オランジュ音楽祭」が開催されていますが、これは1869年に始まった伝統行事です。

アクセス
オランジュまではパリ・リヨン駅から列車で3時間20分。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
アクセス
オランジュまではパリ・リヨン駅から列車で3時間20分。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
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