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ローマ時代から続く宗教と貿易ルートが残した道
この地域の歴史は古く、紀元前のエトルリア時代にまで遡り、ローマ帝国の時代に発展していきました。この頃は農業と牧畜の生産量が減少し、多くが放棄されていきますが、10世紀から11世紀にかけて、経済の復興とともにローマと北イタリアを結ぶ重要な宗教および貿易ルートとして使用され、封建制度の下で修道院が造られ、そして街道沿いに村が出来ていきました。
中世の商人、芸術家が道に彩を添え、完成した景観
牧草、そして小麦畑の緑が一面に広がり、街道沿いには糸杉という畑の境界線の役目として植えられ、ブドウ農家や要塞、塔などが点在した美しい景観。しかしこの地域、もともとは純度の高い粘土質の土壌で、とても小麦やブドウ畑等には適していませんでした。大きな変化があったのは13~14世紀頃、都市国家シエナの発展により、シエナの裕福な商人がこぞって農業に参入し、オルチア渓谷は一大農地へと変貌していったのです。またその農村風景は芸術家たちのユートピアの象徴とされ、商人たちは芸術家への支援も惜しみませんでした。こうしてルネサンス期には絵画の題材としても使われ、まさに人の営みが芸術的にも優れた景観を生み出した傑作と言えます。
アクセス
車を利用して渓谷中心部まで、シエナから約1時間、フィレンツェから約2時間、ローマから約3時間。
執筆協力者PROFILE
前職(株)JTBにて約12年間、海外旅行のパッケージツアーの企画・造成に携わり、世界遺産も含めた観光地のプロモーションや送客に貢献。2021年より国土交通省 観光庁にて勤務、オーバーツーリズム対策や持続可能な観光地域づくりを担当し、現在に至る。世界遺産アカデミー客員研究員、(社)日本イコモス文化観光国内学術委員、(社)台湾世界遺産登録応援会アドバイザー。
アクセス
車を利用して渓谷中心部まで、シエナから約1時間、フィレンツェから約2時間、ローマから約3時間。
執筆協力者PROFILE
前職(株)JTBにて約12年間、海外旅行のパッケージツアーの企画・造成に携わり、世界遺産も含めた観光地のプロモーションや送客に貢献。2021年より国土交通省 観光庁にて勤務、オーバーツーリズム対策や持続可能な観光地域づくりを担当し、現在に至る。世界遺産アカデミー客員研究員、(社)日本イコモス文化観光国内学術委員、(社)台湾世界遺産登録応援会アドバイザー。
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