隊商都市ウワダン、シンゲッティ、ティシット、ウワラタ
シンゲッティのモスク。モスクを中心に町が発展した

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : モーリタニア・イスラム共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1996年 登録基準 : (iii) (iv) (v) 座標 : N20 27 48.00 W12 22 0.00(シンゲッティ)

about

隊商都市として栄えた4つの都市

ウワダン、シンゲッティ、ティシット、ウワラタはモーリタニア国内の4カ所に点在する都市です。これらはサハラ砂漠における重要な隊商交易路の中継地でした。サハラ砂漠の北から織物や武器、中央部からは塩、サハラ以南からは金と奴隷が運ばれ、この地を行き交いました。また、交易だけでなく宗教や文化の中心地としても発展しました。現代では砂漠化や水不足など、さまざまな環境問題に直面していますが、中世の街の特徴や機能を比較的良好な状態で残しています。

シンゲッティ
砂漠化が進むシンゲッティの街(©Overflightstock/Adobe Stock)

中世の隊商都市の在り様を伝える

どの都市にも、石壁に囲まれた「クサール」(複数形はクスール)と呼ばれる旧市街があります。その中心には四角形のミナレットを持つ大モスクが立ち、曲がりくねった路地、中庭を囲むように立つ平屋建ての住宅建築が連なるなど、往時の隊商都市の様子を思い浮かべることができます。4都市の中でもっとも南に位置するウワラタの住宅の壁には特徴的な装飾が施されています。赤と白のコントラストが美しい装飾はアフリカ北部のベルベル人の影響が反映されており、母から娘へと女性間で継承されてきました。装飾の色彩は天然素材にのみよって生み出され、モーリタニアで女性が制作したものの中で最も美しい芸術作品のひとつとしての評価も受けています。

ウワラタ
ウワラタの家屋。外壁の装飾や小さな扉が特徴的(©Heinzelmann/Adobe Stock)

ウワダンのヤシの木

各都市にはヤシの林が存在し、ヤシの林よって砂漠の厳しい暑さへの対策が行われています。特にウワダンはヤシの木が多く、1984年には3万5,000本のヤシの木があったと言われており、モーリタニア国内最大のヤシの産出地でした。しかし、現在ヤシの木は減少傾向にあります。一方でこの地域一帯でヤシの木は現代においても重要な存在で、建築の木材としても使用されています。またナツメヤシの収穫祭のときには町民を集結させて行います。ナツメヤシと人々の関係は深くユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

アクセス

【シンゲッティ】首都ヌアクショットから車で12時間。
【ウワダン】首都ヌアクショットから車で15時間。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。

遺産DATA

地域 : アフリカ
分類 : 文化遺産
登録年 : 1996年
登録基準 : (iii) (iv) (v)
座標 :N20 27 48.00 W12 22 0.00(シンゲッティ)

アクセス

【シンゲッティ】首都ヌアクショットから車で12時間。
【ウワダン】首都ヌアクショットから車で15時間。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。