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技術の融合がみられる水道橋
パドレ・テンブレケ水利施設の水道橋は、メキシコ中央高原のメキシコ州からイダルゴ州にかけて約48kmにわたり延びる水道橋です。1555年から1572年にかけて建設されました。一段のアーチで築かれた水路としては最も高いものを組み合わせて建設されています。テペヤワルコにあるアーチ型の水道橋は水路の部分で約40mの高さがあり、アーチの部分でも約34mの高さがあります。水利システムは古代ローマ時代の水利技術から受け継がれるヨーロッパ伝統の技術とアドベ(日干しレンガ)を用いた伝統的なメソアメリカの建築技術との交流を示す一例となっています。

水道橋建設を進めた修道士
「パドレ・テンブレケ水利施設の水道橋」はフランシスコ会の修道士フランシスコ・デ・テンブレケが地元の先住民の協力を得て建設が進められました。「パドレ・テンブレケ」とは「テンブレケ神父」という意味です。フランシスコ・デ・テンブレケの生涯については不明な点が多いです。彼はスペインのトレド郊外のテンブレケ町の出身で、1540年頃にフアン・デ・テンブレケ神父とともにヌエバ・エスパーニャに移住したといわれています。彼の生涯についてはいくつかの説がありますが、生没年等の詳細な情報は未だにわかっていません。
日干しレンガ:アドベ
アドベは17~18世紀に特に西テキサスで建築材料として広く使用されました。入手しやすく、安価な材料で、製造が安易という特徴があります。この地域ではスペイン入植以前から日干しレンガが使用されてきました。日干しレンガは断熱性が高く昼は太陽光を吸収し、夜は熱を放射するため、乾燥した気候のこの土地では最適な材料であったと考えられます。
アクセス
メキシコシティから連邦高速道路を利用。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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メキシコシティから連邦高速道路を利用。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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