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ホットスポットとプレート運動の結果として形成された海山列
パパハナウモクアケアは、ハワイ諸島の北西250~1931kmの広範囲に連なる小島と環礁からなる、広大かつ孤立した島嶼群に付けられた名称です。総面積は約362,075㎢におよび、世界最大級の海洋保護区の一つとされています。この地域は、比較的静止したホットスポットと安定したプレート運動の結果として形成された海山列を示す好例であり、ハワイ・エンペラー海山列の大部分を占めています。世界最長かつ最古の火山列の大半を構成するパパハナウモクアケアは、プレートテクトニクス理論およびホットスポットに関する理解を形成する上で、極めて重要な役割を果たしてきました。地質学的にはハワイ火山国立公園と密接に関連しており、ホットスポット火山活動の重要な証拠を共有しています。
ほぼ手つかずの自然が残る隔絶されたサンゴ礁、島々、そして海域
本保護区には、海面下4,600mから海抜275mに至るまで、深海域、海山および海底斜面、サンゴ礁、浅いラグーン、沿岸海岸、砂丘、乾燥草原および低木地帯、さらに高塩湖など、非常に多様な生息域が含まれています。波の穏やかな海域は海洋生物にとって理想的な繁殖地となっており、海岸部はアオウミガメの産卵地であるとともに、ハワイモンクアザラシやウチワヤシなど絶滅危惧種の重要な生息地でもあります。また、年間約550万羽の海鳥が営巣し、季節ごとに約1,400万羽が滞在することから、世界最大の熱帯海鳥の繁殖地となっています。特に、危急種であるコアホウドリの99%、絶滅危惧種のクロアシアホウドリの98%がこの地域に生息しています。
ニホア島とマクマナマナ島の2つの島に残る考古学遺跡
パパハナウモクアケアは、ハワイ先住民にとって命の起源および魂の帰還地として神聖視されてきた場所であり、精神的世界観および伝統的価値観において極めて重要な地です。この地域に含まれるニホア島およびマクマナマナ島には、ヨーロッパ人到来以前の生活や利用に関連する考古学的遺跡が数多く残されています。その中には、パパハナウモクアケア特有の様式を持ちつつも、タヒチ内陸部のものと類似する大規模な神殿(ヘイアウ)が含まれています。これらの遺跡は、同地域がマルケサス諸島と強い文化的結びつきを持っていたことを示すものです。なお、パパハナウモクアケアは、アメリカ合衆国における唯一の複合遺産です。
アクセス
パパハナウモクアケアの環境保護に従事する関係者のみが立ち入りを許可されている。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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パパハナウモクアケアの環境保護に従事する関係者のみが立ち入りを許可されている。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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