about
パラマリボの歴史と都市の発展
パラマリボは、南米大陸の北東海岸に位置するスリナムの首都です。スリナムを含むベネズエラ南部からブラジル北部にかけての地域は「ギアナ地方」と呼ばれており、15世紀末のスペイン人探検家による「発見」後は、エル・ドラド(黄金の都)が存在する場所と考えられて多くの冒険者が訪れました。17世紀には、英国植民地のバルバドスからやってきた労働者がタバコとサトウキビのプランテーションを築きましたが、1665〜1667年の英蘭戦争の結果、スリナムはオランダの植民地となりました。18世紀末にはオランダの工学技術を駆使したパラマリボの都市計画が湿地帯まで拡張されたことで、経済の発展が加速しました。都市は独特な街路計画とオランダの建築様式が融合した建物が特徴的で、スリナム川沿いに歴史的建造物が点在しています。
異文化融合が生んだ建築様式
パラマリボの建物は、オランダなどのヨーロッパの建築様式と南米固有の文化が融合し、独自の建築スタイルを体現しています。さらには、19世紀の奴隷制度後にプランテーションの労働力として移住したアジアからの移民の建築・芸術的影響を受け、この地ならではの都市景観を創り出しました。文化融合がもたらしたクレオール文化からはスリナムの多文化社会の歴史を感じることができます。歴史的建造物としては、1667年に建てられたゼーランディア要塞、木造のゴシック様式の大聖堂、新古典主義様式の教会など、独自の特色を持つ建物が並んでいます。特に、上階が木造で下階が石造の大統領官邸や、柱廊を備えた財務省などがその代表例で、ヨーロッパの建築と地元の文化が見事に融合しています。
アクセス
ヨハン・アドルフ・ペンゲル国際空港からパラマリボの歴史地区まで、車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
ヨハン・アドルフ・ペンゲル国際空港からパラマリボの歴史地区まで、車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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