about
多くの都市のモデルとなったまちづくり
マドリードの都市中心部に位置するプラド通りとブエン・レティーロは、スペイン帝国最盛期にユートピア社会を目指した「知識の民主化」という啓蒙思想に結びついた文化的景観です。全長約1kmのプラド通りは、16世紀にヨーロッパの都市で最初に築かれた並木道として知られています。その他にも、アポロの噴水、ネプチューンの噴水、シベレスの噴水などの街のシンボルとなる大型噴水や樹木の設置、道路整備、市街地開拓と市民の憩いの場所として都市環境が整備されてきました。さらに通り沿いにはプラド美術館、王立植物園、王立天文台が設置されるなど、文化・科学・自然がひとつの街に共存しています。このようなプラド通りとブエン・レティーロのまちづくりはスペイン国内やラテンアメリカの多くの都市のモデルとなりました。
「芸術」と「科学」の景観を演出する王立植物園とプラド美術館
王立植物園は1755年にフェルナンド6世によって創建されました。その後、1774年にカルロス3世により現在ある、プラド通りへの移転が指示されます。1781年、フアン・デ・ビジャヌエバの設計のもと、3つの階段状テラスや植物学者リンネの方法に従って配置された植物が特徴の植物園が完成しました。現在のプラド美術館は、もともとは自然科学博物館です。1785年、こちらもカルロス3世の命によりフアン・デ・ビジャヌエバが設計を務めました。美術館へと変わったのは1819年、フェルナンド7世が妻マリア・イサベル・デ・ブラガンサ王妃に勧められたことがきっかけと言われています。17世紀に建てられたブエン・レティーロ宮殿の遺構である広さ120万㎡の「ブエン・レティーロの庭」は、登録エリアで最も大きな部分を占めています。
アクセス
マドリード・アトーチャ駅から徒歩で約5分。(市内に無料バスあり)
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
マドリード・アトーチャ駅から徒歩で約5分。(市内に無料バスあり)
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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