about
千年以上の歴史を持つ真珠の産地
ペルシア湾は千年以上の歴史を持つ真珠の産地で、なかでもバーレーンのムハラク島は、その産地として真珠交易の重要な拠点でした。ムハラクは、バーレーンのかつての首都で、この地での真珠採りは、19世紀末から20世紀初頭にかけて最盛期を迎えました。その貿易による富がムハラク市内の特徴的な建物や店舗を生み出しました。その建造物のほとんどは、比較的良好な状態で現存しており、特に木材と漆喰を使った高い職人技による建築は、真珠産業が育んだ独特の文化を示しています。世界遺産には、ムハラク市内の商人の店舗や住居、倉庫、それに寄付によって建てられたモスクなど17棟の建物、沖合のカキ養殖場3か所、海岸の一部、そしてムハラク島南端にあるカラット・ブ・マヒール要塞(かつては主要な漁港であり、海への出入りの玄関口として使われていた)が構成資産として登録されています。
日本の真珠養殖の台頭により1930年代に衰退
現在、ムハラク島で真珠の採取に従事する人はほぼいません。その衰退の要因のひとつが日本の真珠養殖の台頭です。それまでムハラク島では、カキ養殖場から真珠を採取するという伝統的な方法で産業が成り立っていましたが、19世紀末に、日本の実業家、御木本幸吉氏が真珠の養殖に成功し、徐々に安価で形の良い養殖真珠が世界のマーケットを席捲していきました。また、1930年代の世界恐慌も重なり、バーレーンの真珠産業は大きな打撃を受けて衰退していったのです。ムハラクの真珠産業が生み出した伝統と建造物は、島の経済を支え、その文化を伝えるものとして、今でもバーレーンの文化的アイデンティティの重要な源泉となっています。
アクセス
ムハラク島南端にあるカラット・ブ・マヒール要塞にビジターセンターがある。バーレーン国立博物館の港からボートが出発し、カラット・ブ・マヒール要塞へ向かうことができる。将来的には歩行者用の橋が設置され、陸路でのアクセスも可能になる予定。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜20期)。
アクセス
ムハラク島南端にあるカラット・ブ・マヒール要塞にビジターセンターがある。バーレーン国立博物館の港からボートが出発し、カラット・ブ・マヒール要塞へ向かうことができる。将来的には歩行者用の橋が設置され、陸路でのアクセスも可能になる予定。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜20期)。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す