about
キャラバン貿易によって発展したナバテア王国の首都
ヨルダン南部のペトラは紀元前2世紀にナバテア人によって築かれた隊商都市です。ナバテア王国の首都として機能し、古代ローマやアラビア半島、インドや中国との主要な交易中心地として発展しました。2世紀にローマ帝国に併合され、4~5世紀にはキリスト教関連の宗教施設も建設されました。ペトラは4世紀の大地震による被害と、交易路が変化されたことにより、1812年スイス人のイスラム学者によって再発見されるまで砂に埋もれていました。
ペトラを首都としたナバテア王国
ナバテア王国は、ナバテア人によって建国された国です。ナバテア人はもともとアラブ系の遊牧民族でした。ナバテア人がペトラ周辺地域に移住した時期については定かではありませんが、キャラバン貿易によって富を形成し、定住生活を送るようになりました。紀元前168年にナバテア王国を建国するとアレタス4世(紀元前9~紀元後40年)の治世の時に最盛期を迎えました。トラヤヌス帝の時にナバテア王国はローマ帝国に併合されましたが、ペトラはその後も都市として繁栄し、ローマ都市や建築の影響を受けるようになりました。
無形文化遺産:ペトラとワディラムのベドゥインの文化空間
ベドゥインは、ヨルダン南部のペトラとワディラム近郊の半乾燥高地と砂漠地帯に居住しています。ベドゥインは現在でもペトラ近郊の貯水池や洞窟を利用しているほか、牧畜文化や伝統医学、黒色のテントの作り方などの知識や技術を大切に守っており、口頭で伝承しています。これらベドゥインによる生活は無形文化遺産にも登録されています。ペトラでも多くのベドゥインが観光業に関わっており、週に3回ほど行われるシークから宝物殿をキャンドルで照らす夜のイベントでは、彼らの音楽を楽しむことができます。
アクセス
首都アンマンのアブダリ駅でJETTバスを利用。または、アンマン南駅から公共ミニバンに乗車。いずれも3~4時間。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
Details
シーク
Siq
エル・ハズネ(宝物殿)
El Khasneh
円形劇場
Theatre
修道院
Deir
王家の墓群
Royal Tombs
アクセス
首都アンマンのアブダリ駅でJETTバスを利用。または、アンマン南駅から公共ミニバンに乗車。いずれも3~4時間。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す