ピエンツァの歴史地区
サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂。都市計画に合わせて築かれたため、正面が北方向を向く珍しい設計となっている

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : イタリア共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1996年 登録基準 : (i) (ii) (iv) 遺産の面積 : 0.0441㎢ 座標 : N43 4 37 E11 40 43

about

ローマ教皇が目指した「理想の街」

ピエンツァはイタリア中部のトスカーナ地方にあり、15世紀半ば、都市計画に基づいてつくられた街です。それ以前は、コルシニャーノと呼ばれた小村でしたが、この地の出身で1458年にローマ教皇に選出されたピウス2世は、ルネサンス様式による「理想の街」に改造することを決めました。翌1459年に、フィレンツェの建築家であるベルナルド・ロッセリーノに設計を依頼し、3年後の1462年に大聖堂とピウス2世広場を完成させました。そして街の名称も、創建者のピウス2世にちなんで、「ピウスの町」という意味の「ピエンツァ」に改められました。

イタリア各地に影響を与えた未完のルネサンス都市

ピウス2世広場は奥行き感を出すために台形に設計され、広場を中心に格子状の道路で区画されました。そして、広場を囲むように大聖堂、市庁舎、教皇の館であるピッコロ―ミニ宮殿が配置され、整然とした美しさを備えた都市がつくられました。大聖堂には、南ドイツの教会に見られる後期ゴシックの内装が施されています。また、大聖堂内部には、サーノ・ディ・ピエトロをはじめシエナ派の画家たちによる壁画がみられます。ピエンツァの建設はピウス2世の急逝により未完成となりましたが、初のルネサンス様式による街づくりで、後のイタリア各地での都市建築に大きな影響を与えました。

地元特産のチーズを転がすお祭り

世界遺産の価値とは直接関係しませんが、ピエンツァでは毎年9月にチーズ祭りが開催されます。この祭りのハイライトは「チーズ転がし」と呼ばれる競技です。このイベントでは、地元特産で羊の乳を使ったチーズ「ペコリーノ・ピエンツァ」が使われます。この競技は、石畳の広場の中心に棒を立て、その周りに円を描いて的とし、円盤型のチーズの塊を転がして、的にどれだけ近づけられるかを競うものです。6つの地区に分かれて競い合い、街中にそれぞれの地区の旗が掲げられて、お祭り気分を盛り上げています。

アクセス

フィレンツェからシエナまで列車で1時間半。シエナからTiemme社のバス112番線を利用して1時間15分でピエンツァへ。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー客員研究員

米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 1996年
登録基準 : (i) (ii) (iv)
遺産の面積 : 0.0441㎢
座標 :N43 4 37 E11 40 43

アクセス

フィレンツェからシエナまで列車で1時間半。シエナからTiemme社のバス112番線を利用して1時間15分でピエンツァへ。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー客員研究員

米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。