about
有名建築が立ち並ぶ奇跡の広場
イタリアのトスカーナ地方にあるドゥオーモ広場は、11~14世紀にかけて建設された世界的に有名な建築が残っています。広場は「ミラコリ広場」とも呼ばれます。これは、イタリアの小説家ダヌンツィオがこの広場を訪れた際に広場の風景に感嘆して「ミラコリ広場(奇跡の広場)」と称したことに由来します。広場にはヨーロッパ中世の建築様式を代表する大聖堂や洗礼堂、斜塔(ピサの斜塔)、カンポサント(墓地)があります。
地中海貿易で栄えた海洋都市
古代ローマ時代から他都市に支配されてきたピサは、11世紀に自治都市になると地中海の商業ルートを確立しました。1063年のパレルモ沖海戦でイスラム軍を破ったことや、数度の十字軍の参加で多くの地中海航路を支配におさめ、海洋貿易で繁栄しました。これら海洋都市としての偉大さを表して建築されたのがドゥオーモ広場の建築群です。しかし13世紀の海戦でジェノヴァに敗北した後は、都市は衰退し海洋都市として再び返り咲くことはありませんでした。
ガリレオ・ガリレイの伝説とピサ
「天文学の父」や「近代科学の父」として知られ、落体の法則や振り子の等時性などを発見した、ガリレオ・ガリレイはピサの出身です。彼はピサの斜塔から重さの異なる2つの物体を落下させて実験を行ったという逸話が残っています。さらに、ピサ大聖堂のシャンデリアの揺れを観察して、振り子の等時性も発見したとの伝説も残っています。そのためピサのドゥオーモ広場は科学史の発展とも結びついた空間でもあります。
アクセス
ピサ中央駅の1番乗場から1番線(ピエトランサ行)のバスに乗り「トッレ1」で下車。10分ごとに運行。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
Properties
ピサ大聖堂
Cattedrale di Pisa
斜楼(ピサの斜塔)
Torre di Pisa
ピサ洗礼堂
Battistero di San Giovanni
カンポサント
Camposanto monumentale di Pisa
アクセス
ピサ中央駅の1番乗場から1番線(ピエトランサ行)のバスに乗り「トッレ1」で下車。10分ごとに運行。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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