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謎が多い巨大石壺
ラオスのジャール平原には葬儀に使用されたと考えられる巨大な石壺が2100以上残っています。世界遺産に登録された15のエリアには1325個の巨大石壺と巨大石壺に関連する遺構や遺物が残っています。紀元前500~紀元後500年の時期と推定されており、石壺のサイズや個数に関しては他に例がありません。最大で10km以上離れた採石場から運搬されたものもあり、20トン以上ある石をどのように運搬したのかは未だに謎のままです。

科学分析を用いた巨大石壺遺跡の解明
シェンクワーン県の巨大石壺遺跡群の調査は1930年代のフランス人考古学者、マドレーヌ・コラー二まで遡ります。それから現在に至るまで研究が行われ、近年では科学分析を用いた研究も盛んに行われています。最近では巨大石壺周辺から歯を含む人骨が発見されました。歯のエナメル質に含まれるストロンチウムを分析すると、その人骨が幼少期に生活していた環境を推定することができます。他にも炭素同位体比を用いて出土した遺物の時期を推定する分析方法もあり、様々な科学分析を用いて当時の様子を解明する研究が行われています。
巨大石壺群と不発弾
巨大石壺遺跡群のあるラオスのシェンクワーン県には現在でも多くの不発弾が除去されずに残っています。ベトナム戦争中に世界で最も多くの地雷が設置された国ともいわれるラオスには現在でも多くの不発弾があります。巨大石壺遺跡群も例外ではなく、不発弾の除去が完全でないことが、遺跡の調査・研究の妨げの要因になっています。しかし近年では巨大石壺遺跡群で最も有名な第1地点を含むいくつかの地点では不発弾は除去され、一般公開され、不発弾を除去した訪問者向けのルートも整備されつつあります。
アクセス
シェンクワーン県の主要都市ポンサワンからタクシー。第1地点まではバスやトゥクトゥクも運行。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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シェンクワーン県の主要都市ポンサワンからタクシー。第1地点まではバスやトゥクトゥクも運行。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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