about
活版印刷の黎明期を支えたヨーロッパの中心地
プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館とその関連施設は、ルネサンスからバロック時代にまで遡る印刷工房兼出版社の建物です。この施設は、パリやヴェネツィアと並んで、初期ヨーロッパ印刷の三大都市の一つであったアントウェルペンに位置しており、活版印刷の発明と普及の歴史と深く結びついています。その名は、16世紀後半の最も偉大な印刷出版者であるクリストフ・プランタンにちなんでいます。その歴史的重要性は、16世紀末にヨーロッパで最も多産であったこの印刷・出版社の活動の様子と業績を示している点にあります。
最も多産な出版社の活動を伝える完全な証拠
この記念碑的な建物は、卓越した建築的価値を有しているだけでなく、16世紀後半のヨーロッパで最も多産だった印刷工房・出版社の生活と仕事を伝える徹底的な証拠を含んでいます。この会社は1867年まで活動を続けており、建物内には旧式の印刷設備が大量に収集・保存されています。さらに、広範な蔵書を持つ図書館、非常に貴重な文書(アーカイブ)、そしてルーベンスの絵画を含む芸術作品なども収蔵されています。これらのコレクションは、当時の印刷・出版業界の技術、文化、そして経済的な活気を物語っています。
同一の場所で続いた印刷活動と確かな真正性
1576年から1580年に建設された中心部分とその後の増築部分は、当時の建築様式と生活様式を真に証明しています。この真正性は、プランタンの娘婿であるモレトゥス家が、創設者と同じ場所(邸宅と工房)で同一の活動(印刷や出版)を継続していたという事実によっても裏付けられています。過去の戦争被害(1945年)による修復も、全体の真正性に影響を与えておらず、歴史的変遷に完全に合致する建造物となっています。
アクセス
ブリュッセル中央駅からアントウェルペン中央駅まで、電車で約40分。駅から博物館までは徒歩約20分。
執筆協力者PROFILE
福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。
アクセス
ブリュッセル中央駅からアントウェルペン中央駅まで、電車で約40分。駅から博物館までは徒歩約20分。
執筆協力者PROFILE
福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。
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