about
エメラルドグリーンに輝く絶景の湖群
プリトヴィツェ湖群国立公園は、約300㎢の広さを誇るクロアチア最大の国立公園です。一帯は石灰岩地帯(カルスト地形)に位置し、主に中生代の石灰岩や苦灰岩(ドロマイト)で形成されています。プリトヴィツェ川の水は炭酸カルシウムが高濃度で含まれており(過飽和状態)、植物やコケ類、藻類などの光合成の作用が関わって炭酸カルシウムが沈殿することで、トゥファ(石灰華)といわれる石灰質の堆積物がつくられました。トゥファはまるで天然のダムのように河川をせき止め、大小16の湖が形成されました。これらの湖を計92の滝がつないでいます。湖底まで見ることのできる水の透明度の高さは、流域周辺を覆う森林の働きによるものです。幻想的なエメラルドグリーンの湖は、訪れる観光客を魅了します。
内戦を乗り越えて
美しい風景が広がるプリトヴィツェ湖群国立公園は1979年に世界遺産に登録されましたが、1991年に勃発したクロアチア紛争で危機に陥りました。国立公園はクロアチア独立に反対するセルビア軍の管理下に置かれ、「潜在的な危機」の状態であるとみなされ、1992年には危機遺産リストに記載されました。戦後、クロアチア政府は地雷の撤去を進め、保全措置を講じました。1997年には国立公園の保護区域が拡大され、湖の集水域全体と地下水系を含む広範囲が保護対象となりました。また、同年の世界遺産委員会では、危機遺産指定を解除されました。湖や森林などの自然環境は紛争による被害を免れ、現在に至ります。
アクセス
首都ザグレブからバスで3時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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首都ザグレブからバスで3時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
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