ポロンナルワの古代都市
古代スリランカに特有の「アタターゲ」は、ストゥーパ(仏塔)を保護する円堂のこと

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : スリランカ民主社会主義共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1982年 登録基準 : (i) (iii) (vi) 座標 : N7 54 57 E81 0 2

about

英君により整備された偉大な都市

スリランカ中部にあるポロンナルワは、『聖地アヌラーダプラ』に次ぐシンハラ王国第二の都市です。シンハラ王国は10世紀末に南インドのチョーラ朝に侵略されたのですが、約80年かけて反撃した結果、1070年にチョーラ朝を撃退しました。しかし、長きにわたる抗争が影響して、都であったアヌラーダプラは荒廃していたので、ポロンナルワに都が遷されました。ポロンナルワが全盛期を迎えるのは12世紀後半であり、時の王はパラークラマ・バーフ1世でした。彼は灌漑施設を充実させ、さらに王宮の西側にあった貯水池を南北約9㎞にまで拡張したため人々を驚かせました。この貯水池は「パラークラマ・サムードラ(パラークラマの海)」と称され、王は人々から崇拝され、彼の後を継いだニッサンカ・マッラの時代でも繁栄は続きました。

南アジア屈指の仏教都市

パラークラマ・バーフ1世は敬虔な仏教徒でもあったため、チョーラ朝との長期にわたる抗争で乱れていた人々の生活を取り戻そうと、仏教の復興に努めました。王は短期間で数々の仏教寺院を建設していき、ポロンナルワは南アジア屈指の仏教都市となりました。特にダラダーマルワ寺院は「聖地の中の聖地」とされ、12棟の仏教建築が並び有名です。境内には仏塔を円形の建物で囲った珍しい仏堂であるワタダーゲや、国内初の仏歯堂であるアタダーゲなどが残ります。また、他の寺院には天人たちのフレスコ画や巨大な涅槃仏などが残され、これらはスリランカ美術の傑作として名高いです。このように繁栄を誇ったポロンナルワでしたが、13世紀に再び南インドからの侵略が相次ぎ、衰退してしまいます。その後、20世紀初めに発掘されるまで、長い間密林の奥で眠ることになるのです。

ガル・ヴィハーラ寺院の涅槃像
ガル・ヴィハーラ寺院の涅槃像。岩から彫り出された磨崖仏(©Travel Wild/Adobe Stock)

アクセス

バンダラナヤケ国際空港からコロンボまでバスで約1時間。コロンボからポロンナルワまでバスで約6時間。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 1982年
登録基準 : (i) (iii) (vi)
座標 :N7 54 57 E81 0 2

アクセス

バンダラナヤケ国際空港からコロンボまでバスで約1時間。コロンボからポロンナルワまでバスで約6時間。

執筆協力者PROFILE

京都橘大学・大阪成蹊大学講師/NPO世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。