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火山灰の下できれいに残っていた街並み
西暦79年、ナポリの東にあるヴェスヴィオ山が大噴火しました。その噴火の火砕流・土石流や火山灰で周辺の古代ローマの都市は壊滅しました。ヴェスヴィオ山の南にあったポンペイの街はそれから千年以上にわたり、火山灰と火山礫に埋もれたままでしたが、16世紀に農民が偶然発見し、18世紀半ばから本格的な発掘が始まりました。ヴェスヴィオ山のすぐ西側にあったヘルクラネウム(現エルコラーノ)も高温の火砕流に襲われた後、火山灰に埋もれました。これらの街で発掘された遺跡から、広場や公共の建築物があり、石で舗装された通りの両側に住宅や店舗が並ぶ古代ローマの街並みを知ることができます。ポンペイ近郊の町トッレ・アヌンツィアータには皇帝ネロの妻ポッパエアの別荘「オプロンティスのヴィラ」が発掘されています。
古代ローマの都市の全体像を知ることができる遺跡
ポンペイの広い敷地の中心には、フォロ(広場)があり、その近くに役所や神殿などの公共建築物が立ち、公衆浴場や劇場なども保存状態よく残されています。街の通りの両側にはいろいろな店舗が並び、飲食店の窯には炭化した食材なども残っていたと言われます。個人の住宅も室内装飾や家具などがそのままの状態で残こされていたものもあり、富裕層の邸宅では壁や床にモザイク画が施され、総じて高い文化水準の街であったと想像されます。
古代ローマの高級リゾート都市だったエルコラーノ
ナポリの南東約8kmのヘルクラネウム(現エルコラーノ)は、ポンペイに先んじて発掘が開始されましたが、20m近くの土石流と火山灰に埋もれていたため発掘の進捗は遅れました。現在では共同浴場や劇場、数々の館などが発掘されています。厚い土石流の層や適度な湿度により木や紙も腐食せずに残ったものもあり、ポンペイよりも保存状態が良いとされています。貴族の館などの構造や残されていた美しい壁画等から、高級なリゾート地だったと考えられています。
アクセス
ナポリへはローマなどを経由してナポリ中央駅から「ヴェスヴィオ周遊鉄道(Circumvesuviana)」のソレント行きでポンペイ遺跡最寄りのポンペイ・スカーヴィ駅へ行く。所要時間は約30〜40分。ポンペイ遺跡はそこからすぐ。トッレ・アヌンツィアータへもトッレ・アヌンツィアータ駅からすぐ。エルコラーノ遺跡はポンペイへの途中エルコラーノ・スカーヴィ駅が最寄り。所要時間は約20分。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
Properties
ファウヌスの家
House of the Faun
秘儀荘
Villa dei Misteri / House of the Mysteries
パピリの館
Villa of the Papyri
オプロンティスのヴィラ
Villa Oplontis
アクセス
ナポリへはローマなどを経由してナポリ中央駅から「ヴェスヴィオ周遊鉄道(Circumvesuviana)」のソレント行きでポンペイ遺跡最寄りのポンペイ・スカーヴィ駅へ行く。所要時間は約30〜40分。ポンペイ遺跡はそこからすぐ。トッレ・アヌンツィアータへもトッレ・アヌンツィアータ駅からすぐ。エルコラーノ遺跡はポンペイへの途中エルコラーノ・スカーヴィ駅が最寄り。所要時間は約20分。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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