about
福音伝道において重要な役割を果たした修道院群
『ポポカテペトル山麓の16世紀初期の修道院群』は、メキシコ北部領土における福音伝道と植民地化の一環として建築されました。メキシコのモレロス州、プエブラ州、トラスカラ州に位置する15の構成資産で成り立っています。それらは16世紀前半にメキシコへ最初に辿り着いたフランシスコ会(1524年着)、ドミニコ会(1526年着)、アウグスチノ会(1533年着)の修道士たちが築いた修道院でした。いずれもスペイン本国やヨーロッパなどにおける従来の建築プランとは異なる、この地域で急速に広まった新たな建築様式が採用されました。またすでに先住民が密集して暮らしていた場所に修道院を設立し、都市集落の中心となることを目指していました。
スペイン本国にはない特徴的な建築様式
ポポカテペトル山麓の修道院群の特徴は、中庭のようなオープン・スペース(アトリウム)を有している点です。このスペースは非常に開放的で、アトリウムには秘跡を授けるための小礼拝所(ポーサ)と屋外礼拝堂も備わっていました。こうした空間はこれまでのスペインやヨーロッパにはなかった、新たに誕生した建築様式でした。宣教師たちがこのようなアトリウムを造りだした理由は、これまで神殿内よりも屋外での儀式に慣れていた先住民を改宗させるために、このような開放的な空間を設けたと考えられています。山頂から水を引くための水利施設も重要な要素となっています。この建築様式は先住民の改宗過程においても重要な役割を果たし、メキシコ国外にも影響を及ぼしました。
最初期の修道院のひとつ:ウエホツィンゴのフランシスコ会修道院
ポポカテペトル山麓で最初期に設立されたウエホツィンゴのフランシスコ会修道院(サン・ミゲル・アルカンヘル修道院)は、プエブラ市の北西に位置しています。現在は博物館としても機能しており、祭壇画、絵画、宗教儀式等で使用された作品が展示され、植民地時代の宣教活動を紹介しています。修道院で最も象徴的な作品は、1524年に修道士に率いられてヌエバ・エスパーニャに到着した最初の12人のフランシスコ会修道士の姿を描いたフレスコ画です。
アクセス
【ウエホツィンゴのフランシスコ会修道院】プエブラからチョルラ・プエブラ高速道路を利用。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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【ウエホツィンゴのフランシスコ会修道院】プエブラからチョルラ・プエブラ高速道路を利用。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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