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北米における土塁建築の傑出した例
『ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群』は、ルイジアナ州北部、ミシシッピ川下流域にあるわずかに隆起した場所に位置する遺跡です。その名称は、敷地近くにあった19世紀のプランテーションに由来しています。遺跡は、5つの土塁、浅い窪地で区切られた6つの同心円状の半楕円形の盛土、そしてその最も内側にある広場で構成されています。この遺跡は紀元前1700年から前1100年の間に、狩猟・漁労・採集を行っていた人々によって築かれ、居住および儀式の場として利用されていました。北米における土塁建築の中でも特に優れた例とされており、少なくともその後2,000年間は、これを上回る規模の遺跡は存在しなかったとされています。
狩猟・漁労・採集民によって築かれた世界的に重要な遺跡
5つの土塁の中で最大の「マウンドA」は、北米最大級の土塁であり、高さは22m、基底部の広さは215m×200mに及びます。その形状は、羽を広げた鳥のような十字形であることが特徴です。ポヴァティ・ポイントの記念碑的土塁群は、その規模や土塁の一体性、遺跡群がほぼ無傷の状態で残されている点に加え、狩猟・漁労・採集を行っていた人々によって築かれたことからも、世界的に重要な遺跡として高く評価されています。この地域は完新世の沖積低地にあたり、洪水が発生しやすい地形ですが、遺跡は比較的安全な高台に築かれ、自然環境や地形の特徴を巧みに利用することで、記念碑的な景観が創出されています。また、石材が乏しい地域にもかかわらず、石製の遺物が数多く発見されていることは、長距離にわたる交易ネットワークが確立されていたことを示しています。
アクセス
ジャクソン・エヴァース国際空港から車で約2時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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ジャクソン・エヴァース国際空港から車で約2時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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