about
プラハの街のはじまり
チェコ中西部に位置する首都プラハは、人口約130万人を擁するヨーロッパでも有数の大都市です。街のほぼ中央、ヴルタヴァ川(モルダウ川)の両岸に、ヨーロッパ屈指の美しさを誇る歴史地区があります。プラハの起源は、6世紀後半にスラヴ民族がヴルタヴァ川沿いに集落を築いたことにさかのぼります。7世紀には丘の上に砦が建てられ、都市としての形成が始まりました。9世紀後半頃、ヴルタヴァ川左岸にプラハ城の前身の城塞が、10世紀には右岸にヴィシェフラト城が建造され、2つの建造物に挟まれた区域が発展していきました。
長い歴史が息づく建築都市
11世紀から18世紀にかけて築かれた旧市街、小地区、新市街には、王宮や大聖堂、カレル橋をはじめとする数多くの歴史的建築物が残されています。ヴルタヴァ川の両岸に広がるこれらの地区には、塔が点在する風景の中に邸宅や宮殿なども見られ、美しい街並みを形づくっています。特に14世紀、神聖ローマ皇帝カール4世のもとで整備された新市街は、「新しいエルサレム」を目指した壮大な都市計画の成果でもあります。都市の再開発や戦火をまぬがれたことで、当時の街並みが良好な状態で保存されており、ゴシック、バロック、モダニズムといった多様な建築様式が一つの都市の中に共存しています。
波乱の時代から、知と文化の都へ
プラハは、古くから学術と芸術の中心として発展してきました。1348年に創設されたカレル大学は、ヨーロッパで最も古い大学のひとつであり、学問と思想の中心として発展しました。15世紀には大学教授ヤン・フスがカトリック教会の権威を問い直す思想を発信し、やがてプラハは宗教争いの舞台となっていきます。そのような激動の歴史を経て、プラハは多くの文化人や科学者を魅了する都市へと移り変わっていきます。モーツァルト、カフカ、アインシュタインなど、多くの文化人や科学者ともゆかりがあり、知のネットワークが育まれてきた街でもあります。さまざまな時代の歴史を伝えるプラハは、文化的多様性を象徴する空間として、訪れる人に深い感動を与え続けています。
アクセス
プラハ空港からプラハの歴史地区まで車やバスで約45分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
プラハ空港からプラハの歴史地区まで車やバスで約45分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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