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似た構成を持つ2つの宗教の寺院群
プランバナンの寺院群には、ヒンドゥー教と仏教の寺院群が非常に近い場所で残されており、世界遺産には508基の石造寺院で構成される寺院群が登録されています。最も南に位置するヒンドゥー教寺院のプランバナン寺院(ロロ・ジョングラン)と、最も北に位置する仏教寺院のセウ寺院群は非常に似た構成を持っており、その間に仏教寺院のルンブン寺院とブブラ寺院が縦に並んでいます。またセウ寺院群の東には仏教寺院のアス寺院(ガナ寺院)があり、ルンブン寺院やブブラ寺院と共にセウ寺院群の曼荼羅を構成する寺院と考えられています。
インドネシアで最大のシヴァ神を祀る寺院群
ヒンドゥー教のプランバナン寺院は、方形の基壇の上にヴィシュヌ神を祀る祠堂、シヴァ神を祀る祠堂、ブラフマー神を祀る祠堂が北から縦に並んでいます。中心となるシヴァ神の祠堂「シヴァ堂」は高さ47mを誇り、23mの高さのヴィシュヌ神とブラフマー神の祠堂を従えるようにも見えます。このヒンドゥー教の三柱の主神の祠堂の前には、神の乗り物「ヴァーハナ」である祠堂が、それぞれヴィシュヌ神にはガルーダ堂、シヴァ神にはナンディ堂、ブラフマー神にはハンサ堂が対応するように北から縦に並んでいます。また同じ基壇内には、南北2基のアピット堂や東西南北に置かれた4基のクリル堂、北東、北西、南東、南西の角に4基置かれたパトック堂、そしてそれらを囲むようにかつては224基あったとされるプルワラ(小祠堂)が残されており、全体で立体の曼荼羅のようにも見えます。インドネシア版の叙事詩「ラーマーヤナ」のレリーフで装飾されており、9世紀ころのインドネシアの高度な石造技術を伝えています。
ヒンドゥー教と仏教の平和的な共存
プランバナン寺院よりも古い8世紀末の創建とされるセウ寺院群は、プランバナン寺院と非常によく似た構造を持っています。高さ約30mの中央の祠堂の周囲に曼荼羅を描くように小祠堂が配置されており、大乗仏教の宇宙観を表現していると考えられています。このようにヒンドゥー教と仏教の重要な聖地が近くに残されていることから、過去にこの地で宗教が平和的に共存していたことの証拠にもなっています。
アクセス
ジャカルタからジョグジャカルタのアドイスチプト国際空港まで飛行機で約1時間半。そこから車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。
アクセス
ジャカルタからジョグジャカルタのアドイスチプト国際空港まで飛行機で約1時間半。そこから車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。
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