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西洋にも名声を轟かせたアジアの海上交易拠点
中国南西部の福建省にある泉州は、市内を流れる晋江と洛陽江が海へと注ぐ港に面した都市です。8〜9世紀頃に海上貿易の拠点として次第に発展し始め、宋代(960〜1276年)と元代(1271〜1368年)にあたる10〜14世紀にかけては世界的な貿易港として華々しい繁栄を遂げました。泉州は中国内陸部とアジアの海、そして世界とをつなぎ、「海のシルク・ロード」の東の拠点とも言われます。その名声は遠くヨーロッパまで伝わり、同時期の西洋の文献にはアラビア語でオリーブを意味する「ザイトゥーン」という名で登場します。13世紀にこの地を訪れたマルコ・ポーロは、著書「世界の記述」(東方見聞録)にて、泉州を世界最大の開港のひとつであると称賛しています。
泉州の発展と繁栄を物語る多彩な構成資産
構成資産には、唐代(618〜907年)の686年に創建された「開元寺」などがあります。開元寺は福建省最大の寺院で、洛陽橋建設などの公共事業に資金を調達し、泉州の経済発展に大きく貢献しました。金交椅山の磁竈窯は、海外向けの磁器を大量に生産した窯元で、その製品は東南アジアや南アジア、東アフリカでも出土しています。また、中国最初期のイスラム建造物のひとつである、1009年創建のモスク「清浄寺」や、イスラム教徒の墓地、行政施設、インフラ設備なども構成資産に含まれます。10〜14世紀の泉州が国際港として繁栄した当時の社会構成や貿易体系を今に伝えています。
アクセス
泉州晋江国際空港から市中心部まで、タクシーで約30分。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
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泉州晋江国際空港から市中心部まで、タクシーで約30分。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
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