about
過去と現代の建築が調和した都市
ラバトはモロッコ北西部、ブール川の河口の大西洋岸に位置するモロッコの首都です。20世紀前半のフランス保護領時代に計画的に改造され、アフリカ北西部のマグレブ地方特有の旧市街のデザインが尊重され、その南側に新市街が組み込まれました。新市街は20世紀のヨーロッパ的都市理念がみられる一方、旧市街には12~17世紀のイスラム王朝時代の建物も残り、過去と現在の建物群が見事に調和した都市が形成されています。
ローマ時代から残る歴史的都市
ラバトの歴史は紀元前8世紀にまで遡り、ローマ人によってこの地に港が築かれました。ローマ帝国の崩壊で街も消滅しますが、地中海世界との交易やビザンツ帝国の影響の痕跡が残されています。12世紀初頭にムラービト朝(1056~1147)によって 新しい城塞が建設され、続くムワッヒド朝(1130~1269) が12世紀半ばにより強固なものに改築しました。これが現在まで残るウダイヤのカスバの起源です。13世紀にメリニド朝(マリーン朝)はフェズを首都としましたが、ラバトを放棄せず城壁の外にシェラリ墓地を築きます。その後ラバトは、1609年にスペインから追放されたモリスコが多数定住し海賊の街になりますが、アラウィー朝によってかつての栄光を取り戻します。1864年には王宮が建設され、1912年に首都がフェズからラバトに遷されました。
早期から行われた保護活動
ラバトには過去の王朝の様々な記録や建築の要素を含む都市や記念碑、考古遺跡を保護するための措置が、早い時期から導入されてきました。また広範囲な都市保護と資産によって形成された都市景観の保護に関する新しい措置が現在も公布されています。ラバト文化遺産保存財団が組織され、技術・科学に関しては国立遺産局、さまざまな資産の要素を担当する機関、ラバト市や県のサービスに委任され、すべての規制及び組織規定、また5年間の行動計画が管理計画に定められ、ラバトの遺産の保護管理が行われています。
アクセス
カサブランカ空港から鉄道で1時間またはバスで1時間半。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
カサブランカ空港から鉄道で1時間またはバスで1時間半。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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