ラパ・ニュイ国立公園
凝灰石を削ってつくられたモアイ像が約900体残る

遺産DATA

地域 : 南米 保有国 : チリ共和国 所在地 : Easter Island province of the Valparaíso Region 分類 : 文化遺産 登録年 : 1995年 登録基準 : (i) (iii) (v) 遺産の面積 : 66.66㎢ 座標 : S27 4 27.851 W109 21 56.5

about

約900体のモアイ像が点在する孤島の遺産

ラパ・ニュイ国立公園は、チリの海岸から西に約3,700kmの南太平洋に位置するパスクア島(イースター島)にあり、約900体のモアイ像と300以上の儀式用プラットフォーム(アフ)を有しています。これらのモアイ像は、11世紀から17世紀にかけてポリネシアに起源を持つ長耳族によって先祖を祀るために造られ、島の各地に配置されています。

共存から対立へ、モアイとともに変わった信仰

巨大モアイを共同で建造した長耳族と短耳族は、初めこそ共存していたものの、16世紀頃の人口増加で島が食糧難に陥ると、部族間で争いが勃発し、互いに相手のモアイを倒し合う「フリ・モアイ」が行われるようになりました。18世紀になってモアイ像を信仰する貴族階級に代わり、島の最高神であるマケマケ神の化身とされる鳥人カルトを信仰する戦士階級が島の権力を握ると、モアイ像は造られなくなりました。

ラノ・ララクとオロンゴ儀式村の歴史的遺構

モアイ像の多くは、島の東に位置するラノ・ララク火山の周辺で採れる軟らかくて削りやすい凝灰岩が使われています。初めは5~7mであったが、最大で20mを超えるモアイ像もあります。また、オロンゴ儀式村は、16世紀から行われた「鳥人儀式」の中心地であり、54軒の半地下式住居と岩壁に刻まれた岩面彫刻が保存されている。これらは、モアイ文化の衰退と新たな信仰体系への移行を示す重要な遺構となっています。

アクセス

首都のサンティアゴからイースター島まで飛行機で約5時間半。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

Details

モアイ

Moai

火山岩を彫って作られたモアイは、高さが10mを超えるものもあり、かつては1,000体以上が存在していた。多くは海に背を向け、村を守るように配置されている。巨石像をどのように運んだのかなど、謎が多い。

アフ・トンガリキ

Ahu Tongariki

15体の巨大なモアイ像が並ぶ祭壇遺跡。1960年の津波で倒壊したが、日本のクレーン製造会社の支援を受け、1990年代に修復された。モアイ像は高さ5〜9m、重量40〜80tで、背後にはラノ・ララク山が広がる。

プナ・パウ

Puna Pau

国立公園内にある小高い丘で、モアイ像の頭部に乗せられる赤い石の帽子「プカオ」を製作した採石場。

ラノ・ララク

Rano Raraku

モアイ像の製作地として知られ、この場所では、約400体のモアイ像が製作途中の状態で残されており、未完成のものや地中に埋まったものも見られる。モアイ像はこの火山の凝灰岩を用いて作られ、島内の各地に運ばれた。

遺産DATA

地域 : 南米
保有国 : チリ共和国
所在地 : Easter Island province of the Valparaíso Region
分類 : 文化遺産
登録年 : 1995年
登録基準 : (i) (iii) (v)
遺産の面積 : 66.66㎢
座標 :S27 4 27.851 W109 21 56.5

アクセス

首都のサンティアゴからイースター島まで飛行機で約5時間半。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。