
about
2つの火山によって生み出された特徴的な自然景観
インド洋の南西端に位置するフランス領のレユニオン島は2つの隣接する火山から形成されています。休火山であるピトン・ドゥ・ネージュと活動を続けるピトン・ドゥ・ラ・フルネーズの2つの火山を中心とし、世界遺産には島の40%にあたる1058㎢が登録されています。レユニオン島はこれらの火山と圏谷(氷河の浸食によって山に形成された半円形の谷)、またランパール(城壁)と呼ばれる岩壁の景観が広がっています。ランパールは地質年代や特徴が異なる岩壁で、直線的な形状のものから曲線を描くものまであり、これらの形状はランパール形成の起源によって異なります。
多様で高い固有性をもつ動植物
レユニオン島の動植物は高い固有性を誇ります。一部の動植物は絶滅危惧種にも登録されており、希少性が非常に高いです。島内の植物には高さ10mを超える樹木や、高地に生息する植物も生息しています。これらの植物の一部は島の民間信仰とも結びつき、悪霊や邪視(呪いの力をもつ目)を払い、病気を治すお守りとしての役割を果たしている樹木もあります。また島内の在来植物の一部は薬用としても用いられています。しかしこれらの動植物は島の外部から持ち込まれたネズミやノネコなどによる侵食を受け、一部の動植物は絶滅の危機に瀕しています。
レユニオン島の火災と対策
レユニオン島は度々火災の被害を受けてきました。2010年から2020年にかけて4回の大規模火災に見舞われ、島の在来生物だけでなく、絶滅危惧種にまで被害が影響しています。また、火災による鳥類の営巣地の破壊も発生しています。そこでレユニオン島では、地元消防局と連携して防火対策に取り組んでおり、市民ボランティアによる自然環境の監視や火災発生時の伝達方法などに関する研修や話し合いも行われています。さらに万が一にも火災が発生してしまったときの、火災後のモニタリングや自然環境再生活動にも取り組んでいます。
アクセス
フランス本土のパリ・オルリー空港、シャルル・ド・ゴール空港、マルセイユ空港から飛行機でレユニオン島の都市サン・ドニ郊外のローラン・ギャロス空港(レユニオン島最大の空港)かサン・ピエールフォン空港(島南部の空港)へ行くことができます。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
フランス本土のパリ・オルリー空港、シャルル・ド・ゴール空港、マルセイユ空港から飛行機でレユニオン島の都市サン・ドニ郊外のローラン・ギャロス空港(レユニオン島最大の空港)かサン・ピエールフォン空港(島南部の空港)へ行くことができます。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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