ロシア・モンタナの鉱山景観
ロシア(Roșia)はルーマニア語で「赤い」という意味

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ルーマニア 分類 : 文化遺産 登録年 : 2021年 危機遺産 : 2021年~ 登録基準 : (ii) (iii) (iv) バッファ・ゾーン : 3.4142㎢ 座標 : N46 18 22 E23 7 50

about

2,000年近くに及ぶヨーロッパで最も重要なローマ時代の金鉱山

ロシア・モンタナの鉱山景観は、ルーマニアのアプセニ山脈に位置し、2,000年近くにわたるヨーロッパで最も重要かつ広範囲な地下金採掘活動の傑出した例です。この地での採掘は、西暦106年に始まり、166年間にわたりローマ人によって約500tの金が抽出されました。この場所はアルブルヌス・マヨルとして知られ、ローマ帝国にとって唯一の新たな金銀の供給源であり、トラヤヌス帝のダキア征服の動機の一つであった可能性が高いといわれています。

ローマと現地技術が融合した高度な採掘工学

この遺跡は、現存するローマの地下金鉱山複合施設であり、7kmに及ぶ様々な種類の坑道と、地下四か所に設置された水車などの高度な技術が開発されました。特に、排水のために足踏み式の水汲み車を収容した複数の部屋は、ヒスパニアからバルカン半島に伝わった技術であると考えられます。この場所は、ローマから輸入された採掘技術と地元で開発された技術の融合を示しており、初期の時代からこれほどの技術的特徴が知られている場所は他にありません。

ロシア・モンタナの鉱山景観
高度な技術力で多くの坑道が掘られた(©Albin Marciniak/Adobe Stock)

生活様式を伝える文書と多層的な歴史景観

ローマ時代の採掘活動に関する詳細な情報は、この遺跡で発見された、蝋でコーティングされた木製の筆記板によって得られており、法律、社会経済、人口統計、言語といった面で、当時の辺境鉱山コミュニティの日常生活を伝えています。この複合体は、ローマ採掘時代の後に、中世から近代にかけても小規模ながら採掘が続けられました。この多層的な採掘活動の遺構は、18世紀から20世紀初頭の農牧景観が組み合わさり、この地の鉱業の歴史を物語る他に類を見ない証言となっています。

アクセス

クルジュ=ナポカからアルバ・ユリアまで電車で2〜3時間。そこからタクシーで1時間。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

遺産DATA

保有国 : ルーマニア
分類 : 文化遺産
登録年 : 2021年
危機遺産 : 2021年~
登録基準 : (ii) (iii) (iv)
バッファ・ゾーン : 3.4142㎢
座標 :N46 18 22 E23 7 50

アクセス

クルジュ=ナポカからアルバ・ユリアまで電車で2〜3時間。そこからタクシーで1時間。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。