about
聖地へのアクセスが困難な時代背景が生んだ運動
サクロ・モンテ(聖山)とは、聖書の物語を描いた絵画や彫刻を収める聖堂を山の中に築き、それらを巡礼することで信仰を深める宗教施設群のことです。サクロ・モンテを築く運動は、エルサレムやパレスチナなど聖地に代わる祈りの場をヨーロッパにつくるのが目的で、15世紀から16世紀初頭にかけて始まりました。当時、イスラム勢力の急速な拡大で、巡礼者にとって聖地へのアクセスが困難になっていたことが背景にありました。北イタリアのピエモンテとロンバルディアにある9つのサクロ・モンテには、16世紀後半から17世紀にかけての建築的特色が残る教会群があり、キリスト教信仰のさまざまな様相が表現されています。これらは、丘陵、森林、湖といった周囲の自然と見事に調和した景観を作り上げており、その深い美しさを可能にした技法も高く評価されています。
異なるテーマや役割をもつ9つの聖山
9つの聖山のうち最も古いのはヴァラッロのサクロ・モンテです。1480年、ミラノの司教の支援を受けて建てられ、その後に続くサクロ・モンテのモデルとなりました。また、オルタのサクロ・モンテはアッシジの聖フランチェスコに捧げられたとされ、16世紀からほぼ配置が変わっていないという21の礼拝堂と庭園で知られます。他のサクロ・モンテにもそれぞれに明確なテーマや役割があり、類型や建築様式に関する一定の基本的な規則は基にしつつも、独自の芸術・建築とともに発展しました。これらの聖なる山々の全域では、当時のピエモンテとロンバルディアの偉大な芸術家たちが、イエス、マリア、聖人たちの啓発的なエピソードを表現した絵画や彫刻を多数制作し、素晴らしい芸術的遺産を作り上げたのです。
アクセス
日本から直行または経由便でミラノへ。最も古いヴァラッロのサクロ・モンテへは、ミラノ中央駅から列車を乗り継ぎ、ヴァラッロ・セジア駅へ約90分。
執筆協力者PROFILE
文化遺産や美術工芸を自身のテーマに関西や北陸、四国で長年取材・執筆。アンコールやマヤなど海外の遺跡取材や、「世界遺産ポンペイの壁画展」などの展覧会運営にも携わった。国内唯一の点字新聞でデスクを担った経験から、世界遺産のアクセシビリティーにも関心を持つ。
アクセス
日本から直行または経由便でミラノへ。最も古いヴァラッロのサクロ・モンテへは、ミラノ中央駅から列車を乗り継ぎ、ヴァラッロ・セジア駅へ約90分。
執筆協力者PROFILE
文化遺産や美術工芸を自身のテーマに関西や北陸、四国で長年取材・執筆。アンコールやマヤなど海外の遺跡取材や、「世界遺産ポンペイの壁画展」などの展覧会運営にも携わった。国内唯一の点字新聞でデスクを担った経験から、世界遺産のアクセシビリティーにも関心を持つ。
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