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過酷な環境に根付く初期キリスト教会の精神
聖カトリーナ修道院は、エジプト北東部のシナイ半島南部、シナイ山(標高2285m)北麓にあるギリシア正教の修道院です。この山のふもとは、『旧約聖書』でモーセが神から「十戒」を授けられた場所とされ、古くからユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒にとって宗教的に重要な意味を持つ聖地とされてきました。険しい山岳地帯の続く過酷な環境にもかかわらず、一帯には数多くの考古学的・宗教的遺跡やモニュメントがあり、巡礼者らにインスピレーションや心の平穏をもたらす景観を形成しています。初期キリスト教会では、辺境地に修道院共同体を設立して禁欲的な修道生活を送ることが広く行われましたが、聖カトリーナ修道院は、そうした修道院の中でも最も初期のものの一つです。今も修道士たちが静かな祈りの生活を続ける、世界最古のキリスト教修道院となっています。
4世紀に書かれた聖書写本やイコン・ギャラリー
4世紀、モーセがその中に神を見たという「燃える柴」の周辺に聖堂が築かれ、さらに6世紀にビザンツ帝国の皇帝ユスティニアヌス1世によって現在の修道院の基礎が築かれました。修道院を囲む防壁や建物は、ビザンツ建築の研究において極めて重要です。また、「燃える柴礼拝堂」や、聖カトリーナの遺骸が納められていると伝わる教会堂などの建造物群は、キリスト教の精神的側面においても非常に重要な意味を持ちます。図書館には4世紀に書かれた聖書写本『シナイ写本』など貴重なコレクションが収蔵されており、キリストや聖人などを描いた絵画「イコン」を所蔵するイコン・ギャラリーもあります。これらのイコンはビザンツ帝国で起きた偶像破壊運動以前に描かれたもので、希少なものとなっています。
アクセス
エジプトの首都カイロから車で約7時間。
執筆協力者PROFILE
文化遺産や美術工芸を自身のテーマに関西や北陸、四国で長年取材・執筆。アンコールやマヤなど海外の遺跡取材や、「世界遺産ポンペイの壁画展」などの展覧会運営にも携わった。国内唯一の点字新聞でデスクを担った経験から、世界遺産のアクセシビリティーにも関心を持つ。
アクセス
エジプトの首都カイロから車で約7時間。
執筆協力者PROFILE
文化遺産や美術工芸を自身のテーマに関西や北陸、四国で長年取材・執筆。アンコールやマヤなど海外の遺跡取材や、「世界遺産ポンペイの壁画展」などの展覧会運営にも携わった。国内唯一の点字新聞でデスクを担った経験から、世界遺産のアクセシビリティーにも関心を持つ。
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