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カール大帝の治世に起源を遡る修道院教会
フランス西部、現在のヌーヴェル・アキテーヌ地域圏に位置するサン・サヴァン・シュール・ガルタンプの修道院教会は、11世紀末から12世紀初頭にかけて制作された大規模な壁画装飾で知られています。修道院の起源については、伝承によるとカロリング朝のカール大帝の時代に遡り、西方修道制の改革者として知られるアニアヌのベネディクトゥスによって創建、あるいは再興されたと伝わります。9世紀ごろには修道院の勢力は拡大し、地域のキリスト教化において重要な役割を果たす存在となりました。現在見られるロマネスク様式の教会は11世紀に再建されたもので、宗教戦争後の17世紀後半には修道院の大規模な再建プロジェクトが実施されました。この修道院教会の名声は、とりわけ11世紀末から12世紀初頭にかけて制作された、壁画装飾によって確立されたものと言えるでしょう。
聖書や聖人の生涯を題材とする壁画装飾
この修道院教会の内部は、物語性の高い壁画で広く覆われており、優雅さと動きに満ちた色彩と構図によって構成されています。こうした壁画芸術は、この時代に最盛期を迎えたと評されています。西側の拝廊は、14世紀築造(19世紀再建)の高さ80mの鐘楼が備えられており、内部には「黙示録」を主題とする場面が描かれています。身廊のヴォールト天井には、『創世記』と『出エジプト記』を中心とする旧約聖書の物語が展開され、「天地創造」「ノアの箱舟」「カインとアベルの物語」など約50の場面が描かれています。身廊だけでおよそ420㎡にわたって壁画が描かれており、中世において修道院が信仰と教義を視覚的に伝える教育の場であったことを今に伝えています。さらに教会堂の地下には、聖マルティヌスと、聖キプリアヌス及び聖サヴァンに捧げられた礼拝堂があり、後者は二人の生涯をモチーフとする壁画で覆われています。このような壮大な壁画装飾が広がるサン・サヴァン・シュール・ガルタンプの修道院教会は「ロマネスク様式のシスティーナ礼拝堂」の呼び名で知られています。
アクセス
パリからポワティエへTGVで1時間20分〜1時間40分。そこからレンタカーやタクシーで約45〜50分。
執筆協力者PROFILE
福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。
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パリからポワティエへTGVで1時間20分〜1時間40分。そこからレンタカーやタクシーで約45〜50分。
執筆協力者PROFILE
福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。
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