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2,000年の歴史をもつ黄金の都市
スペイン西部に位置するサラマンカは、2,000年以上の歴史をもつ都市であり、イベリア半島でも有数の文化遺産が存在します。街の南西を流れるトルメス川に架かる古代ローマ時代の橋をはじめ、12世紀に完成したロマネスク様式の旧大聖堂やサン・マルコス教会、16世紀完成のサリナ宮殿やモンテレイ宮殿などがその歴史を物語っています。特に18世紀に完成したマヨール広場は、スペインで最も壮麗なバロック様式の広場と謳われています。旧市街とその周辺には、ロマネスク様式からゴシック、ルネサンス、バロックに至るまでの宗教建築が点在し、都市全体が歴史的景観を形成しています。また、旧市街の建造物の多くは微少の酸化鉄を含んでおり、その影響で陽光を受けると旧市街全体が金色に輝いて見えることから、「ラ・ドラーダ(黄金都市)」の異名でも知られています。
スペイン最古の大学「サラマンカ大学」
1218年、レオン王国のアルフォンソ9世により創設されたサラマンカ大学は、「美徳と学問と芸術の母」を掲げ、スペイン最古級の大学として発展を遂げました。16世紀にはオックスフォード、パリ、ボローニャと並ぶ、ヨーロッパ有数の大学都市のひとつとなりました。大学関連の建築群は、15〜18世紀にかけてゴシックやルネサンス、バロック様式で建てられました。最も古い大学建築は、1413年に建てられた「オスピタル・デル・エストゥディオ(学問院)」で、現在は学長館として使用されています。1415〜1433年に建設された講義棟「エスクエラス・マヨーレス」の3層ファサードは、16世紀にカトリック両王の寄進によって増築されたものです。ルネサンス様式を基に、壁面や入口開口部に緻密な浮き彫りが特徴のプラテレスコ様式の傑作とされており、カエルやドクロなど珍しい彫刻が施されています。
ウルトラ・バロックとも言われるチュリゲラ様式の中心地
サラマンカはスペイン・バロック様式の名門一族であるチュリゲラ家が活躍した都市としても知られています。マヨール広場やクレレシア(イエズス会神学校)、カラトラバ騎士団のカレッジ、サン・エステバン教会などは、チュリゲラ様式の影響を色濃く残しています。「ウルトラ・バロック」とも呼ばれる多彩な装飾が特徴のこの様式は、18世紀のイベリア半島のみならず、ラテンアメリカにも影響を与えました。
アクセス
マドリード・チャマルティン駅から列車で約2時間30分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
マドリード・チャマルティン駅から列車で約2時間30分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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