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テキサス州南部、サン・アントニオ川に沿って広がる伝道所群
サン・アントニオ・ミッションズは、テキサス州南部のサン・アントニオ川流域12.4kmにわたって展開する5つの辺境伝道所群と、そこから37km南方に位置する牧場から構成されています。これらの伝道所遺跡は、農地、牛の放牧地、住居、教会、穀倉、工房、窯、井戸、外壁、そして水道システムなど、多様な建築物および考古学的建造物から成り立っています。これらは、1718年から1731年にかけてフランシスコ会の司祭によって建設されたものです。伝道所の建設以前、テキサスにはスペイン人による恒久的な入植地は存在していませんでした。これらの施設は、スペイン国王が新大陸の支配地域「ヌエバ・エスパーニャ(新しいスペイン)」の北部辺境において、植民地化、伝道活動、防衛を図った努力の証といえます。
スペインとコアウイルテカ族の文化融合の証左
伝道所の活動は、狩猟採集を生業としていたコアウイルテカ族をはじめとする先住民に、わずか一世代で定住農耕民への転換という劇的な変化をもたらしました。5つの伝道所はそれぞれ独立して設立されましたが、いずれも互いに5km未満の距離に位置しており、個別ではなくグループとして、植民地化および伝道活動に必要なすべての機能的要素を備えていました。教会の装飾などには、カトリックのシンボルと自然に由来する先住民のデザインが結びついた要素が見られ、スペイン人と先住民族であるコアウイルテカ族、ならびにその他の先住民族の文化が融合しています。伝道所の閉鎖的な配置、互いの近接性、住民間における知識および技術の広範な共有、共通言語および宗教の早期導入は、完全に先住民的でもスペイン的でもない独自のアイデンティティを持つ人々と文化の誕生をもたらし、それが極めて持続的かつ広範にわたって存在していることを示しています。
アクセス
サン・アントニオ国際空港からダウンタウンまでバスで約30分。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
サン・アントニオ国際空港からダウンタウンまでバスで約30分。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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