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サフランの生産と街道の中継地として繁栄した街
サン・ジミニャーノはイタリアのトスカーナ地方を流れるエルサ川の渓谷を見下ろす小高い丘の上にあります。この地では、染め物の原料として珍重されたアヤメ科の多年草であるサフランの生産が盛んでした。さらに、フィレンツェやシエナとローマを結ぶ街道の中継地に位置し、大いに繁栄したことで12世紀末に自由都市として独立しました。しかしその後、皇帝派と教皇派の二つのグループに分かれて内部抗争が起き、さらにペストの流行により街は大打撃を受けて、14世紀にはフィレンツェの支配下に入り街は衰退しました。そのため、サン・ジミニャーノの街の景観はほとんど変わることがなく、中世の街並みがそのまま残されました。
富と権力の誇示に使われた中世の摩天楼
現在、サン・ジミニャーノには14の塔が残されていますが、最盛期となる13世紀には72の塔が存在していました。これらの塔は、内部抗争をしていた2つのグループが防衛のための見張り用に建てたのが始まりです。その後は、互いの富と権力を誇示するため競って高い塔を備えた邸宅を造営し、高さ50メートルに達する塔が乱立しました。残された塔の中でも、ポポロ宮殿には高さ54メートルのグロッサの塔が建てられ、この塔は現存していて上ることが可能です。塔の上からは、宮殿に隣接するサンタ・マリア・アッスンタ参事会聖堂など、中世の街並みを残す景観を一望できます。
アクセス
ローマからユーロスターで約1時間30分、フィレンツェ着。フィレンツェから列車で1時間、ポッシボンジ着。そこからバスで20分、サン・ジミニャーノ着。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
アクセス
ローマからユーロスターで約1時間30分、フィレンツェ着。フィレンツェから列車で1時間、ポッシボンジ着。そこからバスで20分、サン・ジミニャーノ着。
執筆協力者PROFILE
米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。
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