about
漆喰の装飾が美しい歴史都市
イエメンの首都サナアは中世アラビア都市の様子を現代に伝える城塞都市です。紀元前10世紀頃から乳香交易で繁栄しました。多くの建築物は400~500年前に建造されたものですが、7世紀にムハンマドが建設させたといわれる大モスクのように1,000年以上の建造物も数多く残っています。旧市街は6,000棟以上の高層住宅が特徴で、鉄筋を一切使わず建設されており、壁面は化粧漆喰で装飾され、サナア特有の風景を引き立てています。
サナアの旧市街と災害
サナアの旧市街は2015年から危機遺産リストに記載されています。記載の原因は2015年から発生しているイエメン内戦によるものです。これによりイエメンの文化遺産は3件全て危機遺産リストに記載されました。サナアの旧市街では内戦によって砲撃を受けました。さらにサナアは2020年の大雨によってインフラや住宅に甚大な被害が発生しました。加えてサナアでは周辺の都市開発や社会経済の変化、伝統的なコミュニティーの消滅なども原因で保護がより一層困難になっています。
無形文化遺産:サナアの歌
サナアの歌はイエメンの伝統的な歌曲で、イエメン全土で演奏されています。結婚の夜や午後の集会などで演奏され、イエメンの社交イベントには不可欠な存在です。独唱者はカンブスというイエメンの伝統的な弦楽器とサーン・ヌハシという親指で銅製のプレートを支えて残りの指で音を出す楽器の2つの伝統的な楽器の伴奏で演奏します。詩はイエメンの方言や古典アラビア語の巧妙な言葉遊びと感情的な内容になっています。今日では現代音楽への借用など他ジャンルへの融合もみられます。
アクセス
2025年10月現在、イエメンには全土に危険レベル4の退避勧告が出ているため、入国はできない。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
2025年10月現在、イエメンには全土に危険レベル4の退避勧告が出ているため、入国はできない。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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