about
日干しレンガ造りの高層住宅群「砂漠のマンハッタン」
アラビア半島最南部に位置するイエメン中部のシバームは、日干しレンガでつくられた高層住宅群が砂漠にそびえ立つ城壁都市です。多くは6~7階建ての建物がワディ・ハドラマウトの崖の端から垂直に約500棟集中して建っており、その独特の景観から「砂漠のマンハッタン」などと呼ばれています。都市の歴史はイスラム以前の時代に遡りますが、洪水によって街は幾度も被害を受けてきたため、現在見られる住宅の多くは16世紀以降に建てられたものです。現存する最古の建物は904年創建の金曜モスクといわれ、高層建築をベースにした都市計画として最も古く、最良の例のひとつとされています。
身を守るための知恵が生んだ都市計画
西暦300年頃、シバームは南アラビアで繁栄したハドラマウト王国の首都となり、南アラビア高原を横断するスパイスと乳香の交易ルートの重要な拠点として発展しました。しかし谷の底に位置することから、雨季になるとたびたび大洪水に見舞われたほか、他民族による襲撃から街を守るため、建物が「垂直」方向へ造られるようになったといわれています。2008年の豪雨災害が原因で一部の建物が倒壊するなど、洪水が潜在的な脅威となっており、2015年には危機遺産としてリストに加えられました。
アクセス
イエメンの首都・サナアの国際空港から、シバームに近いセイユン空港への国内線が運航。 なお、2025年12月現在、外務省よりイエメン全土に危険レベル4の退避勧告が出ており、渡航はできない。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜22期)。
アクセス
イエメンの首都・サナアの国際空港から、シバームに近いセイユン空港への国内線が運航。 なお、2025年12月現在、外務省よりイエメン全土に危険レベル4の退避勧告が出ており、渡航はできない。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜22期)。
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