about
亡くなった人が森の中へ還っていく墓地
ストックホルム中心部の南に位置するスクーグスシルコゴーデンの森林墓地は、20世紀初頭に建築された「自然との調和」をテーマとする共同墓地です。1912年、ストックホルム市議会は、松林に覆われた砂利採石場の跡地を取得し、新しい墓地を建設するための国際建築コンペを開催しました。優勝したのは、当時30歳だったスウェーデン人建築家、エリック・グンナル・アスプルンドとシーグルド・レーヴェレンツの設計でした。1917年に建設工事が始まり、1920年に森林墓地と「森の礼拝堂」が完成しました。
世界中に影響を与えた森の墓地と建築物
墓地内には「森の火葬場」や「信仰の礼拝堂」、「希望の礼拝堂」、「聖十字架の礼拝堂」、「楡の高台」など自然と芸術的・建築的価値を統合したデザインの建築物が建てられています。なかでも主要な施設である「森の火葬場」は完成までに25年の月日を要して建てられました。森の中を不規則に走る道や、あえて整然と並ばせていない墓石は、北欧の松林を至高の空間に仕上げる大きな要因となり「亡くなった人が森の中へ還っていく」という精神性を直感的に感じさせる設計となっています。アスプルンドとレーヴェレンツの設計した自然と調和する建築物を持つ墓地のデザインは、その後、世界中の墓地設計に大きな影響を与えました。
アクセス
ストックホルム「T-セントラーレン駅」から最寄り駅の「スクーグスシルコゴーデン駅」まで地下鉄で約15分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
ストックホルム「T-セントラーレン駅」から最寄り駅の「スクーグスシルコゴーデン駅」まで地下鉄で約15分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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