
about
数多くの固有種と独自の生態系
インド洋西部、アフリカの角の延長線上に位置する全長25kmのソコトラ諸島は4つの島々で構成されています。もともとはゴンドワナ大陸の一部でしたが、2000万年~1500万年前に大陸から分離して以来、長い年月をかけて独自の生態系を形成してきました。そのため動植物の固有種も多く、植物は37%、爬虫類は90%、陸生カタツムリの95%が固有種とされています。また絶滅危惧種を含む192種の鳥類の生息地にもなっており、「インド洋のガラパゴス」とも称されています。
ソコトラ諸島の特産品のリュウケツジュ
枝と葉がキノコのように広がる独特な形のリュウケツジュ(竜血樹)は古くから島の人々の交易品の一つでした。リュウケツジュは樹皮から赤い樹脂(竜血)が採取され、化粧品や止血や消炎の薬として利用されてきました。リュウケツジュが最も密集するフィルミヒン地域では竜血を抽出するための詳細な規則があります。リュウケツジュの樹脂は採取しすぎると枯れてしまうため、1~2年に一度の頻度で採取されます。
先住民の言語と動植物との関わり
ソコトラ諸島ではセム語系の言語に属し、ユネスコの消滅の危機にある言語に記載されているソコトラ語があります。ソコトラ語は文字をもたず、口承によって継承されてきました。ソコトラ語には植物に関する専門語彙が数多く存在し、ソコトラ人は植物を食料や医薬品、肥料や儀式の場など様々な場で用いており、ソコトラ語からも人々と自然利用との深い関わりが分かります。また海洋生物も豊かなソコトラ諸島では海やそこに生息する生物に関する専門用語も数多く有しています。
アクセス
アブダビから飛行機で2時間。ただし2025年10月現在、イエメンには全土に危険レベル4の退避勧告が出ているため、入国はできない。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
アブダビから飛行機で2時間。ただし2025年10月現在、イエメンには全土に危険レベル4の退避勧告が出ているため、入国はできない。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す