スクルの文化的景観
製鉄産業や独自の宗教観と結びついた集落の景観(©Ummigarba/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : ナイジェリア連邦共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1999年 登録基準 : (iii) (v) (vi) 遺産の面積 : 7.644㎢ バッファ・ゾーン : 11.781㎢ 座標 : N10 44 26.016 E13 34 19

about

支配者の宮殿と乾式石造建築群が語る社会構造

ナイジェリア北東部のアダマワ高原にあるスクルには、ヒディ族(族長)の宮殿が丘陵の頂上に位置し、眼下の村落を見下ろす支配的な構造を持っています。この宮殿は、壮麗な石造建築によって築かれており、コミュニティの政治的・精神的中心としての地位を象徴しています。宮殿の内部や周辺には、祭祀に使われたと考えられる陶器製の遺物を含む多数の祠が集中しています。低地に広がる村々にも、石壁や窪んだ家畜小屋、穀倉、脱穀場などの土着の建築様式が見られ、これらが社会的な境界線や防御壁としても機能していました。これらの建築群全体が、この社会のヒエラルキーと物質的文化を具現化しています。

伝統的な段々畑と聖なる象徴が織りなす農耕文化

この景観の際立った特徴の一つは、農耕地に広がる段々畑と、石造りの構造物、そして石畳の歩道です。段々畑は、集約的かつ広範な農法を組み合わせた階層的な構造を持ち、人間の定住と環境との関係における重要な段階を示す、土地利用の形を表しています。単なる農地としてだけでなく、神聖な木々などの儀式的要素を持つことで精神的な意味合いなどが特筆されます。これらは何世紀にもわたり変化することなく生き残り、今なお共同体の文化として機能し続けています。

儀礼と社会関係に深く関わる古代製鉄業の遺構

スクルは、16世紀にまで遡る製鉄技術を持つ古代集落であり、かつて栄えた製鉄業の広範な遺構が今も残されています。使用されなくなった竪坑型炉の多くは、所有者の家の近くに配置されていたことがわかっています。この鉄生産は、社会経済関係に伴い、儀式も盛んに行われていました。この文化的景観は、何世紀にもわたって変わることなく存続しており、強力で継続的な精神的・文化的伝統を雄弁に証言しています。

アクセス

最寄りの空港は、ナイジェリア北東部のマイドゥーグリ国際空港(MIU)。マイドゥーグリ国際空港からスクルまでは車で3時間程度。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

遺産DATA

地域 : アフリカ
分類 : 文化遺産
登録年 : 1999年
登録基準 : (iii) (v) (vi)
遺産の面積 : 7.644㎢
バッファ・ゾーン : 11.781㎢
座標 :N10 44 26.016 E13 34 19

アクセス

最寄りの空港は、ナイジェリア北東部のマイドゥーグリ国際空港(MIU)。マイドゥーグリ国際空港からスクルまでは車で3時間程度。

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。