聖山スレイマン・トー
広大な平野の中に突き出すようにそびえる。その孤立した姿は、今でもひときわ際立つ存在感を放つ

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : キルギス共和国 所在地 : The Osh Oblast 分類 : 文化遺産 登録年 : 2009年 登録基準 : (iii) (vi) 遺産の面積 : 1.12㎢ バッファ・ゾーン : 47.88㎢ 座標 : N40 31 52 E72 46 58

about

イスラーム以前から信仰を集める聖なる山

キルギスのフェルガナ渓谷のオシ市に位置するスレイマン・トーはイスラーム以前から信仰されていた聖なる山です。この山は中央アジアシルクロードの重要な街道の交差点に位置しており、旅人にとっては灯台の役割を果たしていました。スレイマン・トーはイスラーム以前からも信仰の対象とされていて、また、イスラーム以前とイスラームの文化がうまく融合した結果、さまざまな遺跡や建築物が残っているところが非常に特徴的だと言えるでしょう。

山岳信仰とイスラームが混在する場所

イスラーム以前の遺構としては、五つの峰の斜面に残された岩面彫刻のある洞窟が興味深いです。これらの洞窟はすべて古代の道綱で繋がっています。また、イスラームが信仰されてからはモスクが建築されて、古くからの山岳信仰とイスラームがうまく結びついたものとなっています。特に移動手段である「馬」の信仰がイスラーム以前からされていたのですが、一神教である「イスラーム」とこれらの山岳信仰がうまく共存するのは極めて興味深いケースであり、文化的な価値は非常に高いと言えるでしょう。このように完全な形で残る聖山は、中央アジアでは例がありません。

アクセス

首都ビシュケクからオシまで車で10時間、もしくは飛行機で45分。

執筆協力者PROFILE

藤井 翼
藤井 翼
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

所在地 : The Osh Oblast
分類 : 文化遺産
登録年 : 2009年
登録基準 : (iii) (vi)
遺産の面積 : 1.12㎢
バッファ・ゾーン : 47.88㎢
座標 :N40 31 52 E72 46 58

アクセス

首都ビシュケクからオシまで車で10時間、もしくは飛行機で45分。

執筆協力者PROFILE

藤井 翼
藤井 翼
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。