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ハンザ同盟による北ヨーロッパの交易の重要な拠点
バルト三国の一国であるエストニアの首都タリンにある歴史地区は、バルト海周辺における北ヨーロッパの交易都市として現在でも非常に良い状態で街並が保存されています。タリンの都市開発は、13世紀にドイツ騎士修道会が城を建築したことから始まり、13世紀後半からハンザ都市として栄えました。この都市を中心に、13世紀から16世紀まで北ヨーロッパの交易の重要な拠点として交易が盛んに行われました。15世紀以降、ハンザ同盟が次第に衰退する一方で、タリンは商業都市としての地位を失うことなく、街には公共建築や住居が整備されていきました。
トーンペアの丘と、周辺に広がるカラフルな家並
まず目に入るのは、旧市街西側の「トーンペア」という丘です。標高47mほどの丘の上には、現在は国会議事堂として使用されているバロック様式のトーンペア城や、聖母マリア大聖堂(トームキリク)が立っています。丘のふもとには、ハンザ都市特有の高い切妻屋根をもつ、カラフルな家並が広がっています。曲がりくねった狭い通りが延び、建物の区画は13世紀から14世紀のものがほぼそのまま残っています。丘と街を取り囲み、外敵の襲撃に備えて築かれた城壁は全長約2km以上、高さ10mあり、現在も26の塔が残っています。旧市街北西部の「塔の広場」には、16世紀に築かれた砲塔が2つあり、それぞれ「キーク・イン・デ・キョク(「台所を覗く」の意)」、「太っちょマルガレータ」の愛称で親しまれています。
アクセス
日本からエストニアへの直行便はなし。フィンランドのヘルシンキや、ドイツのフランクフルトなどを経由して 16〜20時間ほど。空港から旧市街まではトラムやバスといった公共交通機関のほか、徒歩(1時間程度)でもアクセスできる。
執筆協力者PROFILE
慶應義塾大学大学院修士課程修了。桐蔭学園高校地理科教諭。神奈川県高文連社会科専門部会事務局長。東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。(社)日本ICOMOS会員。山川出版社地理用語集編集委員。高校地理の教科書・地理用語集などを執筆・編集。
アクセス
日本からエストニアへの直行便はなし。フィンランドのヘルシンキや、ドイツのフランクフルトなどを経由して 16〜20時間ほど。空港から旧市街まではトラムやバスといった公共交通機関のほか、徒歩(1時間程度)でもアクセスできる。
執筆協力者PROFILE
慶應義塾大学大学院修士課程修了。桐蔭学園高校地理科教諭。神奈川県高文連社会科専門部会事務局長。東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。(社)日本ICOMOS会員。山川出版社地理用語集編集委員。高校地理の教科書・地理用語集などを執筆・編集。
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