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先住民タオス・プエブロ族の伝統的な集落
タオス・プエブロは、ニューメキシコ州北部、タオス川沿いに位置する先住民タオス・プエブロ族の伝統的な集落です。タオス渓谷の古代遺跡は、タオス・プエブロ族が約1,000年前からこの地に定住していたことを示しています。現在の集落は14世紀に建設されたもので、タオス川の両岸に位置する「北の家」と「南の家」と呼ばれる集合住宅に分かれています。いずれも5階建てで、現在でも約150人がこの集落内で生活しています。そのため、タオス・プエブロはアメリカに現存する最古の現役住居群といえます。
アドベで造られた高層集合住宅
集合住宅はすべてアドベで建設されています。アドベとは、土と水と藁を混ぜて型に流し込み、天日で乾燥させて成形した日干しレンガのことです。壁は非常に厚く、1〜2mに達することもあります。5階建ての住居では、各階の屋根に山の森から運ばれた太い木材「ビガ」を渡し、その上に細い木材「ラティラ」を並べ、全体を土で覆って仕上げています。外壁は定期的に泥を塗り直すことで保存されており、内壁は明るさを保つために白い泥を薄く塗り重ねて丁寧に仕上げられています。これらの多層構造の集合住宅は壁を共有していますが、出入口はつながっておらず、かつてはドアや窓もなく、屋根から出入りしていました。日干しレンガの厚い壁は昼間に太陽光の熱を吸収し、夜間にそれを放出するため、気温差の激しい乾燥地帯に適した構造となっています。
自治権をもったコミュニティ
タオス・プエブロは、独立した自治権を有しており、部族評議会、知事、軍の長によって統治されています。知事と軍の長、およびその補佐役は、部族の長老約50名で構成される評議会によって毎年任命されます。集合住宅の各部屋は個別の家族が所有していますが、建物全体はコミュニティ全体の所有物とされ、統治機関によって管理されています。タオス・プエブロは、アメリカ合衆国内において限定的主権国家としての地位を保持しています。1970年には、最も神聖な儀式が行われるブルーレイクを含む約194㎢の山岳地帯が返還されました。この地域は、1906年にアメリカ政府によって国有林の一部とされたものでした。現在、ブルーレイクとその周辺の山岳地帯には、部族の住民以外の立ち入りが禁じられています。
アクセス
タオス・プエブロまで、サンタフェ空港から車で約1時間半。アルバカーキ国際空港からは車で約2時間半。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
タオス・プエブロまで、サンタフェ空港から車で約1時間半。アルバカーキ国際空港からは車で約2時間半。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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