タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム
19世紀に建設された排水坑道の一部は現在ボートで観光できる

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ポーランド共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2017年 登録基準 : (i) (ii) (iv) 遺産の面積 : 16.7276㎢ バッファ・ゾーン : 27.7435㎢ 座標 : N50 26 33.71 E18 51 4.4

about

300年にわたる地下排水と治水技術の傑作

ポーランド南部のシロンスクに位置するタルノフスキェ・グルィ地域は、ヨーロッパ有数の鉛、銀、亜鉛鉱山として知られています。16世紀半ばから19世紀後半にかけて、鉱山の発展とともに、地下水の大量流入という難題に直面し、これを解決するために50㎞以上の主要排水トンネルや、無数の坑道・竪坑を含む広大な排水網が築かれました。18世紀後半にはイギリスから蒸気機関が導入され、地下深くの水を汲み上げることができるようになりました。重力による排水坑道と蒸気揚水技術が組み合わさることで、排水に加え、鉱山水を周辺都市や産業地区の飲料水・工業用水として活用する画期的なシステムが実現しました。このシステムは、19世紀には上シレジア工業地帯(カトヴィツェ周辺)など広域への給水も担い、2001年まで稼働が続きました。

地形条件を克服した広大な排水網と技術交流の拠点

多くのヨーロッパの鉱床が山岳地帯にあるのに対し、タルノフスキェ・グルィは地表の高低差が50m未満と、比較的平坦な台地にあります。鉱山への地下水流入量は、同時代の他のヨーロッパの鉱山の最大3倍に達していました。通常は極めて困難な環境に対応するために高度な測量技術や構造設計が導入されました。また、ザクセン、ボヘミア、ハンガリー、イギリス、ポーランドなど、ヨーロッパ各地の鉱業・工業センターとの間で技術・知識・人材の交流が活発に行われ、蒸気機関の導入や現地での改良・模倣を通じて、ドイツの蒸気機関製造業の発展にも大きく寄与しました。

アクセス

カトヴィツェから鉄道で約1時間。駅からは徒歩で30〜40分またはタクシーで5〜10分。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2017年
登録基準 : (i) (ii) (iv)
遺産の面積 : 16.7276㎢
バッファ・ゾーン : 27.7435㎢
座標 :N50 26 33.71 E18 51 4.4

アクセス

カトヴィツェから鉄道で約1時間。駅からは徒歩で30〜40分またはタクシーで5〜10分。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。