「タッシリ・ナジェール」はサハラ砂漠西部のトゥアレグ族の言葉で「水流の多い地」を意味し、かつての環境を想起させる
about
かつては川が流れ森が広がる土地だった
タッシリ・ナジェールは、サハラ砂漠の深奥部にある台地で、いまから6,000年ほど前の先史時代の岩絵が多く残る地です。「タッシリ・ナジェール」とは現地のトゥアレグ族の言葉で「水流の多い地」という意味ですが、現在は砂漠のなかの不毛な地で、まるで月面のような風景が広がり、浸食された砂岩が立ち並ぶ「岩の森」とも呼ばれる景観となっています。岩のくぼみには牛の群れやワニ、小舟、狩猟や舞踏など15,000点以上の岩絵が残されています。これらにより、ここはかつて湿潤で緑豊かな地であったことがわかります。サハラの気候変動・砂漠化と動物や人々の生活を知るための重要な岩絵群です。
アクセス
アルジェリア南東部、拠点となるオアシスのジャーネットまで国内線で飛び、そこから車で約4時間。陸路の公共交通機関はない。
執筆協力者PROFILE
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
Gallery
アルジェリア南東部に位置するブハディアンの岩に描かれた壁画
01
06
キリンとみられる動物の絵。乾燥化が進み砂漠となってからは、この地域でキリンの姿を見ることはできない
02
06
タン・ズマイタクの壁画。1万~8,000年前には特徴的な丸い頭をもつ人物像が描かれた
03
06
「セファールの神」と呼ばれる、3mを超える壁画。周囲に巨人を崇めているような人の姿があり、神かシャーマンを描いたものと考えられている
04
06
その形から「ハリネズミ岩」と呼ばれる奇岩。長年の浸食により形成されたもの
05
06
「赤い山」を意味するタドラート・ルージュ。砂丘と奇岩のコントラストが美しいエリア
06
06
アクセス
アルジェリア南東部、拠点となるオアシスのジャーネットまで国内線で飛び、そこから車で約4時間。陸路の公共交通機関はない。
執筆協力者PROFILE
細谷 正文
大東文化大学・フェリス女学院大学講師/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す