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世界最後の手つかずの海洋地域
南太平洋中心に位置するマルケサス諸島は海洋生態系と陸上生態系が共存する生物多様性のホットスポットです。固有種の割合が非常に高く維管束植物、鳥類、陸生・海生軟体動物、淡水魚の固有種の数において世界1,2位を争います。特に沿岸魚類と海生軟体生物の固有率が高いです。地理的に孤立した環境下にあるため海洋島環境下における種の進化のモデルとなっています。また世界最後の手つかずの海洋地域の一つとも言われ、世界で最もよく保存された沿岸生態系の一部になっています。
マルケサス諸島へ進出したエナタ族
マルケサス語で「人間」を意味するエナタ族は紀元後1000年頃にマルケサス諸島へ入植し、以降首長制にもとづく発達した社会構造を構築しました。エナタ族は19世紀ごろにヨーロッパ人との接触によって人口減少と文化的同化によってほぼ消滅しましたが、島にはエナタ族に関する記念碑や石造建築物、彫刻などの考古遺跡が残り複合遺産にも登録されています。彼らは2階建ての石壇(パエパエ)を建造しました。パエパエの中には6mに達するものもあり、これらは住居としてだけではなく、集会所や聖域といった機能も果たしていました。
エナタ族の社会と信仰
エナタ族は首長制という社会構造を導入していました。世襲の首長系譜のことをハカイキと言います。ハカイキは神々と生者の間の仲介者としての役割を持ち、食料資源を確保し、分配する役割がありました。適切に食料確保や分配ができていないときはマナ(霊的能力)が少ないとされハカイキを交代させられることもありました。岩はマナを宿す要素として捉えられていたため、岩は彫刻をほどこす素材でもありました。そのため岩の彫刻からマルケサス芸術の一部を知ることができます。
アクセス
タヒチからマルケサス諸島のヌクヒバ島まで飛行機または船を利用。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
アクセス
タヒチからマルケサス諸島のヌクヒバ島まで飛行機または船を利用。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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