ペルシア庭園
ペルシアにおける庭園設計の多様性を表す庭園

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : イラン・イスラム共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2011年 登録基準 : (i) (ii) (iii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 7.1635㎢ バッファ・ゾーン : 97.4002㎢ 座標 : N29 38 10.00 E52 31 31.00(エラム庭園)

about

楽園を表現した乾燥地帯に現れる美しい庭園

ペルシア庭園はイラン各地に点在する9つの庭園で構成されています。紀元前6世紀のキュロス2世の時代に起源をもつ造園様式は、乾燥地帯という厳しいイランの気候条件に合わせて発展してきました。地上の楽園の概念を具体的に表現していると言われています。ペルシア庭園は4つのセクションに分けられており、これはゾロアスター教が重視する空、土、水、植物の4つの要素を表しています。ペルシア庭園の造園様式や技術はインドやスペインまで広範囲の庭園設計に影響を与えました。

ペルシア庭園の水利技術

ペルシア庭園を構成する各地の庭園には噴水や貯水地、水路が整備されています。これら噴水や水流は高低差を利用して流れており、動力源は一切使用されていません。庭園内を流れる水路は蒸発時に気温を下げる効果があります。極度な乾燥地帯であるイランでは水は重要な資源であり、古くから水利技術が発展してきました。ペルシア庭園は水理学、建築学、工学、植物学など様々な分野の技術が応用されており、イランの卓越した技術が示されています。

キュロス2世とパサルガダエ

ペルシア庭園のルーツはキュロス2世(紀元前6世紀)にまで遡ります。キュロス2世は現在のインダス川流域からエーゲ海沿岸まで支配を拡大させたアケメネス朝ペルシアの建国者です。パサルガダエはアケメネス朝ペルシア初期の首都であり、キュロス2世の永眠の地でもあります。パサルガダエには庭園の他にも宮殿や、キュロス2世の墳墓などがあり、2004年に『パサルガダエ』という名称で世界文化遺産にも登録されています。

アクセス

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。

Properties

エラム庭園

エラム庭園

Bagh-e Eram

シーラーズ北部にある庭園で、建設年は不明。セルジューク朝の時に発展し、ザンド朝時にさらに整備が進んだ。庭園内にはシーラーズで最も高い糸杉や、アケメネス朝様式の建築などが残る。建物と水辺の風景のコントラストが美しい庭園。
フィン庭園

フィン庭園

Bagh-e Fin

建設時期はササン朝時代やイル・ハン朝時代など様々な説があるがわかっていない。サファヴィー朝のアッバース王が所有していたことはわかっている。またイラン史で重要な社会的、政治的出来事の舞台にもなってきた。
アッバース・アバド庭園

アッバース・アバド庭園

Bagh-e Abas Abad

イラン北部にある庭園。庭園の他にも水車や塔、温水を使用したとされる浴場もある複合施設。最も特徴的なのは湖の中心に位置する建物で、湖の水位が上がると建物全体が埋没し、屋根から生えた植物が湖に浮かぶ島のような光景をつくる。(ⒸAlChtzn/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0
シャーゼデ庭園

シャーゼデ庭園

Bagh-e Shahzadeh

13世紀に建設。建物の前のプールには5つの噴水があり、水位は8mまで上昇する。ティグラン川から給水される水は道路沿いの木や植物にも給水している。庭園内にはプラタナスや糸杉、果樹などが植えられている。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2011年
登録基準 : (i) (ii) (iii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 7.1635㎢
バッファ・ゾーン : 97.4002㎢
座標 :N29 38 10.00 E52 31 31.00(エラム庭園)

アクセス

執筆協力者PROFILE

NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。