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十字軍に参加したテンプル騎士団に与えられた土地
首都リスボンの北東、サンタレン県にあるトマール。ここは4年に一度開催される「タブレイロスの祭り」というポルトガル最大の祭りで有名です。トマールの街は、十字軍に参加したテンプル騎士団が12世紀半ばにポルトガル王からこの地を与えられたことに始まります。丘の頂上に佇む「トマールのキリスト騎士団の修道院」は、レコンキスタの象徴として設計され、1160年頃から5世紀にもわたって建設されました。三大騎士団の一つであったテンプル騎士団は、後にフランス王による弾圧で解散させられますが、ポルトガルは彼らを擁護し、14世紀にキリスト騎士団として再編されました。

各時代に沿った芸術様式が反映された修道院
ポルトガルで最大規模、最高の保存状態を誇る修道院は、長きにわたって増改築を繰り返したため、初期ムデハル様式、ルネサンス様式、ゴシック様式、マヌエル様式など各時代の芸術様式が反映されています。注目すべきなのは、12世紀に建てられたテンプル騎士団の礼拝堂である円堂です。それはエルサレムの聖墳墓教会をモデルにしたとも言われており、外側は16角形で、天井は非常に高く、その内部にはきめ細かな装飾が施された8角形の柱状の構造体があります。

大航海時代を彷彿とさせる彫刻も
15世紀に入ると、エンリケ航海王子ら、大航海時代の重要人物がキリスト騎士団のグランドマスター(団長)に就任し、修道院としても最盛期を迎えます。この修道院のなかで、特に「サンタ・バルバラ回廊」の大窓に施された彫刻は、ポルトガル独自のマヌエル様式の大傑作と評価されています。そこには、ロープやマストなど海に関するモチーフが彫られており、大航海時代のポルトガルが存分に表現されているのです。なお、キリスト騎士団は今も現存し、ポルトガル大統領がグランドマスターを担っています。
アクセス
リスボンのサンタ・アポローニア駅またはオリエンテ駅からトマール駅までおよそ2時間。トマール駅からは徒歩。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
アクセス
リスボンのサンタ・アポローニア駅またはオリエンテ駅からトマール駅までおよそ2時間。トマール駅からは徒歩。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
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